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□4.嫌ってくれるまで諦めないよ?
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「やだ」
ギュッと彼はさらに力を込めて手首を握る。
彼が触れている所が熱い。
もう嫌だ
『‥っ私は一十木くん好きじゃない!嫌い!!』
「……!」
本心でない言葉を彼に叩きつける。
ごめんね、一十木くん。
やっぱり今日の私はおかしいや
嘘の言葉がいっぱい出てくる。
二人の間に沈黙が続く。
あぁ、彼との関係ももうこれで終わり。
そう思ったら涙はどんどん溢れてコンクリートを湿らせていく。
「七海、それ俺の目を見て言って?」
『?!』
無理、無理だよ
私は無言で首を横に振った。
「じゃあ、嘘だね」
『え、?』
「七海のさっきの言葉は嘘」
嘘ってどうしてわかるの?
どうして嘘って決めつけることができるの?
『ちがっ』
「七海はね、相手に何かを伝えるとき目を絶対に合わせるんだよ?知ってた?」
私自身が知らない癖を彼は見抜いていく。