ut☆pr title
□1.いいよ、俺、待ってるし
2ページ/2ページ
エイプリルフール?
いや、それは春休み中に終わりました。
夢?
そうだ夢だ。
私は思い切って頬をつねる。
「あぁっ!何してるの?!痛いでしょ?!」
うん、一十木くんの言う通り痛い。
……夢じゃない
どうしよう……
彼とは今初めて喋ったし、
別に好きでも嫌いでもないし…
『あの、嬉しいんだけど私一十木くんのことあんまり知らないし…』
「じゃあ、友達から!」
『え、』
ニシッと彼がはにかむ。
なんと可愛い笑顔だ。
『で、でも』
「駄目…かな?」
子犬みたいな一十木くん。
そんな目で見つめないでください!
こ、断れない…
『いいけど…一十木くんが辛くない?……その返事するまで…とか』
「いいよ、俺、待ってるし」
(ふつうの日常風景が)(色をつけ始めた)