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□3.前向きって言って欲しいな
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騒動があってから子犬のようにいや、忠犬ハチ公のように一十木くんは私と行動していた。
あれ、付き合ってないになんでこんなに一緒にいるんだろう
そして一緒にいることを何故私は許しているのだろう
許す、というより私がただ一十木くんと一緒にいたいだけかもしれない
『あのさ、一十木くん』
「どうしたの?七海」
放課後、二人とも屋上でジュースを飲んでいた。
『私がこのまま一生返事しなかったらどうする?』
ジュッと吸うと紙パックからジュースがなくなる。
きょとんとする一十木くん。
「ありえないよ」
『え?』
「七海はそんな奴じゃないよ」
彼の真っ直ぐ私を見る目。
私もじっとそれを見つめる。
『なんで、…そんなの』
わかんないじゃんと言う前に彼が一言
「七海は絶対相手の気持ちから目をそらさないから!」
今度は私がきょとんとする
俺は知ってるんだよ〜と太陽みたいにはにかむ彼に胸がドキリと跳ねて顔が熱くなる。
「照れた!可愛いっ」
一十木くんが一瞬目を大きく開いて嬉しそうにまた微笑む。