長編
□第一話
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朝目が覚めると時計が8時をさしていた。
「なっ、なんでぇぇぇ!」
目覚ましかけたよね!?
私かけたよね!?
あと会議まで30分しかない。
このままでは遅刻してしまう。
ふっと土方さんの顔が浮かぶ
。
土方さんというのは私の上司で、真選組「鬼の副長」って呼ばれてて……
「……殺されるッ!」
私は急いで飛び起き顔を洗い、歯を磨き、そして制服に着替えた。
準備を終え、勢いよく部屋を出ると会議室に向かっている沖田さんが見えた。
沖田さんは真選組の一番隊隊長を務めてる人。
「沖田さん!おはようございます」
そう言いながら小走りで近づくと沖田さんはこっちを振り向いた。
「おお、玲奈ちゃんじゃないですかィ。 いやぁ、朝から会えるなんて今日はついてるぜ」
「またまたそんなこと……」
「ってことでオレンジジュース買って来い」
沖田さんはそう言うと私の手に小銭を握らせた。
しかも30円。
「ええ! ここでパシリますか!?
会議に遅刻しそうで、更に朝の和やかな会話しているこの状況でパシリますか!?
しかもお金足りないですし!」
「パシリなんざとんでもねェや。 俺はただ玲奈ちゃんが買ってきてくれたジュースが飲みたいだけでさァ」
「結果的にはパシってるでしょうがァァァ!」
「玲奈ちゃん、ツッコミもいいですが、早く行かないと会議遅刻しちまいますぜ」
「行かせるんかい!」
はっと思いふと時計をみると、会議まであと10分少々しかないことに気づく。
「ほらほら早く。土方さんに殺され……」
私は沖田さんの言葉の途中で一気にその場からダッシュし自動販売機に向かった。
急いでお金(足りない分は自分のお金)をいれ出てきたジュースを取り出すと再びダッシュで会議室に向かった。