長編

□第三話
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「あ? 近藤さんがいない?」


「はい、さっきお部屋にお邪魔したんですけどいなくて……ってこれ最初と同じ文章じゃないですかァァァ!」

「神崎落ち着け。 一見同じに見えるが…」


「「今は昼だ」」



そう二人で言いそしてまた二人でため息をつい……


「って昨日も昼間だったじゃないですかァァァ!」


「はぁ……ったく、しょうがねェ人だ。 探しにいくか」


土方と玲奈は二人で溜息をつきながら屯所を出た。





「よかったじゃねーか、嫁のもらい手があってよォ」



銀髪の侍ーー銀時がパフェを食べながら言った。


「帯刀してたってこたァ幕臣かなんかか? 玉の輿じゃねーか、本性バレないうちに籍入れとけ籍!」


「それどーゆー意味」


お妙が銀時の顔をパフェのグラスに突っ込む。
パフェのグラスがパリンと音をたてて割れた。


「最初はね、そのうち諦めるだろうと思ってたいして気にしてなかったんだけど……」


お妙は困ったような表情を浮かべる。


「気がついたらどこに行ってもあの男の姿があることに気づいて。ああ、異常だって」


「ハイあと30秒」


店主のおじさんがストップウォッチをみながら言う。


「ハイハイラストスパート噛まないで飲み込め神楽。 頼むぞ金持ってきてねーんだから」


銀時が隣でジャンボラーメンを食べている神楽に呼びかける。
このラーメンを三分以内に食べれれば食事代が無料になるらしい。


「きーてんのあんたら!!」


お妙のとなりに座っていた新八が二人にツッコんだ。


「んだよ、俺にどーしろっての。仕事の依頼なら出すもん出してもらわにゃ」


「銀さん、僕もう二ヶ月給料もらってないんスけど。 出るとこ出てもいいんですよ」


新八は銀時の元で神楽と合わせて三人で万事屋として働いている。


「ストーカーめェェ!! どこだァァァ!! 成敗してくれるわっ!!」


「扱いやすいなこの人」


銀時が叫ぶと近くの席の机がガタガタ動き始めた。と思いきやそこから男が出てきた。


「何だァァァ!! やれるもんならやってみろ!!」

「ホントにいたよ」


机の下から出て来たのはもちろん近藤。


「ストーカーと呼ばれて出てくるとはバカな野郎だ。 己がストーカーであることを認めたか?」

「人は皆愛を求め追い続けるストーカーよ」


そして近藤はお妙と親しく話してた銀時に二人はどういう関係か問いた。



「許嫁ですぅ」



そう言ったお妙に近藤は怒りにも似た驚きの表情を浮かべたが、後にゆっくり目を瞑り胸に手を当てた。


「いやっ!! いいんだお妙さん! 俺はありのままの君を受け止めるよ。 君がケツ毛ごと俺を愛してくれたように」


「愛してねーよ」


そんなお妙の言葉をもろともせず近藤は銀時に対し



「決闘しろ!! お妙さんをかけて!!」


と言ったのであった。
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