鏡の国の王子様
□第二章:合流@
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ようやく眠りから覚めたグルドは、目の前のテラスを見て驚いた。
ガラスの破片まみれになったリクームが、まだ気持ち良さそうに眠っていたのだ。
「お、おい!起きろよ、リクーム!」
グルドが慌てて揺り起こすと、リクームは暢気にも大欠伸をして目覚めの挨拶をしてきた。
「おはよ〜・・・ふあ〜ぁ・・・よく寝たなぁ〜・・・」
リクームは大欠伸を何度もしながら、身体についているガラスを落とす。
「一体、何があったんだ?」
とグルドはリクームに訊くが、起こすまで眠っていたのだ。
分かるはずもない。
首を傾げて考えていたリクームは、周囲を見渡した。
「誰だよ〜?こんなに散らかしたのは〜?」
「だから、それをオレが聞いてんだろ!」
「このままじゃ、なんかヤバイよなぁ〜」
リクームは、ニヤリと笑みを浮かべると、脱兎の如く逃げ出した。
脇にはグルドを抱えたまま。