鏡の国の王子様

□第一章:出会い ザーボン王子リクーム
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久しぶりに街へやって来たザーボン王子。

街へのお忍び変装もバッチリである。

「さて、何を土産に買って行ってやるかな」

(やはりスイーツか?しかしな・・・あいつらはギニューの料理やスイーツなどで、だいぶ舌が肥えているしな。困ったな・・・・。)

いざ、街へ来てみたものの、何を土産にするかなど決めずに訪れたので、実のところ、かなり困っていた。

なかなか決めることが出来ないので、海沿いのエキゾチックなカフェで一休みすることにした。

「久々の外出もいいものだな」

頬杖をつき、ぼーっと窓の外の海を眺めるザーボン王子。

「…ん?」

ふいに、キラキラッと海面が光った気がした。

今日は曇っているはずだが・・・・。

窓から見える空を眺めてみるが、やはり曇り空。

「ああ!一瞬雲が切れて日の光が反射したのかもしれぬな!」

自分に言い聞かせ、気にしないことにしたようだ。

「たまには自分で服を選びたいものだな。では、服を買いにそろそろここを出ると致すか!」

カフェを後にし、高級店が軒を連ねる通りへと向かう。

早速店へ入り、すぐさま気になる服を選び始めた。

そして、試着室で一人ファッションショーを楽しんでいると、携帯電話が鳴った。

画面には側近からの着信が出ていた。

「ああ!もう!いいところなのに何なのであろう!」

ただ、相手が側近なので、出ないわけにはいかない。

頬を膨らませ、不貞腐れながら「いったい何事であるのかな?」と出ると、”鏡”がどうのと言っている。

無許可で外出した事を咎められると思ったが、どうやら用件は違うようだ。

「なんなのだ?西側の倉庫にあった鏡が大きい鳥に持ち去られただと?!」

(全くそのようなくだらない事で電話をしてきおって・・・。)

「別に国宝でも何でもないただの鏡であろうが・・・。もう切ると致すぞ?」

一応の報告ということで受けた側近からの通話を切り、また試着を楽しんだのだ。

城へ戻る為にジェットカーに乗り込み、エンジンをかけようとしたその時だ。
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