鏡の国の王子様
□プロローグ:ザーボン王子編
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「お前たち!グルドを見つけ次第、私のところに連れて来るように!さあ、食事が終わったのなら、さっさと仕事に取り掛かりたまえ!」
そう叫んだ私の顔を見ながら、リクームとバータはブツブツ文句を言いながら食事の間を後にした。
ジースにも仕事を与えようとしたが、ある事を思い出した。
「そう言えば、今日はギニュー料理長に修行をしてもらうのだろう?」
「そうそう!そうなんだよ〜!もうすっげーうれしいんだよね!やっとだぜ?なんかちょっとだけ認めてくれたって感じ?いっつも叱られてばっかりだけどさ、ちゃんと見ててくれたんだよなー!」
ジースは尊敬するギニューからやっと修行を受けられる事を、興奮しながら話している。
ジースの嬉しそうな顔を見ていたら、先程二人を怒った事を少々後悔してしまった。
昼間にこっそり街へ行って、何か土産でも買ってきてやろうかな…。
そんな事を考えつつ、興奮しているジースの話し相手をしながら食事を終えた。
「ごちそうさま!」
ジースは早々にギニューの部屋へ向かった。