鏡の国の王子様
□プロローグ:特戦隊編
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特に仕事の依頼も入っていなかったある日。
五人は珍しく、部屋の掃除をしていた。
普段は清掃係が行うのだが、大失態を犯し、フリーザの怒りを買ったらしい。
即刻始末されてしまった。
しかも運の悪いことに、その日は特戦隊の部屋を掃除することになっていた。
新たな清掃係が来るには、少し時間が掛かる。
掃除をする者がいないのであれば、自分たちでするしかない。
故に、彼らはほおかむりをし、ハタキを片手に勤しんでいた。
「…ったく。なんでオレたちが掃除をしなきゃならねぇんだよ!」
ジースは文句を言いながら、パタパタとハタキを掛けていた。
モップを使って床を磨いていたバータは、
「うるせぇな〜!いちいち文句を言うなよ。オレだって嫌だぜ!」
と、ジースを睨み付けて言った。
二人はザーボンの部屋を掃除していた。
もちろん、初めは自室の掃除をしていた。
そこへザーボンが通りかかり、ついでとばかりに頼んでいったのだ。
自分たちの部屋掃除すら嫌なのに、何故、こんなヤツの頼みを聞くことになったのか。
それは……
『私の部屋の掃除をしてくれたら…最高に美味しい菓子をやろう』
この言葉に誘惑され、二人はふてくされながらもザーボンの依頼をこなしていた。