かぶき町

□金魂
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なんだ・・・?一体何がどうなってんだァア!


ついさっき自分の家である万事屋に戻ると
いつものように神楽と新八がリビングにいた
半同棲状態だったかほの姿は無かったが
俺の部屋である場所からはいけすかねぇ金髪ストレート野郎


金時「わりぃわりぃ・・・昨日飲みすぎたみてぇだ」
新八「もうっしっかりしてくださいよー」
神楽「お客アルヨ!金ちゃん」
銀時「な・・・な・・・」


“金ちゃん”と呼ばれたその男
俺は慌ててその場から去った


新八「・・・?なんだったんですかね?」
神楽「さっきの人ちょっと金ちゃんに似てたアル」
金時「えー?そうかぁ?」


何が一体どうなってるんだ!
いつの間にあんな男に乗っ取られてんだよ!
万事屋が乗っ取られ、俺の存在を忘れ去られ
俺は頭がおかしくなっていた


新八「なんだぁ・・・やっぱり依頼なんじゃないですか」
神楽「なんでも言うヨロシ!なんたって万事屋アルから!」
銀時「あーアハハ・・・そうなんすか・・・」


血の気は完全に引いていて乾いた笑いしか出ない
金さんと呼ばれる人物はカウンターで酒を飲んでる


金時「まぁ兄さん、何があったか知らねぇが
嫌なことは酒飲んで忘れましょうや」


この男は俺からどうやってこの立場を奪ったんだ!
どうやって俺の全てをかっさらっていきやがったっ!

怒りのあまりに金時を睨む銀時


新八「ところで依頼は何なんですか?」
銀時「あぁ・・・少し留守にしてる間に
知らねぇ奴に俺の居場所を乗っ取られちまってよぉ」
神楽「出張中に奥さんが男連れ込んでたアルカ?」
銀時「おーおーそんな感じだ・・・」


依頼を受け万事屋の3人は街に出る
金時はみんなに慕われ街の人気者だった
誰もが俺じゃなく“金さん”と呼んだ
本当に俺のことは忘れてしまったのか?


銀時「なんでっ・・・」
金時「金馬に全部かっさらわれたか・・・」
銀時「っ・・!テメェ!」
金時「おぉっと待てよ、
お前自分がおかしくなったとは思わねぇのか?
今までのが全部お前の妄想だった・・・ってな」


そんなはずない!
でもそんな事は俺だけしか思ってなくて
街の人や神楽や新八他の奴らも俺より金時を慕って


金時「おぉ、かほ」
銀時「ハッ!かほ!?」


銀時は下を向いた頭を勢いよく上げる
その目線の先には俺の愛しいかほの姿
かほには俺を忘れて欲しくないっ!
せめてかほにだけは俺のことを覚えてると言って欲しい


『金ちゃん・・・』


それは叶わなかった
かほは金時の名前を呼んだ
その時俺の心は音もなく崩れていった


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