あまい日常。
□キス。 完結
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「火影様、今お時間よろしいでしょうか。」
「カカシか、良いぞ。どうした?」
「火影様ももう御存知かと思いますが、実は最近ある子供と暮らし始めまして―――」
「…ナルト、か。
その事ならワシも聞いておる。
最近はめっきりイタズラもしに来なくなって少し寂しくは思っていたが…。」
三代目は笑いながら付け加えた。
「ナルトも人の子よ。
ずっと一人でいて寂しくない訳無いのじゃ。
感謝しておるぞ、カカシ。」
「私もナルトといるのは楽しいですからね。
そこで三代目、折り入ってご相談が―――」
カカシは、最近やっとナルトが安心して眠ってくれるようになったこと、昼間も色々な事を話してくれるようになったこと、里や火影に悪戯をする暇も無いほど修行に専念している事を伝えた。
「自分も暗部という立場ですので、これ以上休み続ける事が出来ない事はわかっています。
だからせめてしばらくは、夜中に片付けられる任務にして頂けないでしょうか。」
「うむ、そうじゃな。
このまままたナルトを一人暮らしに戻す事も出来んしのぉ。
しばらくはそうしよう。カカシ、ナルトを頼むぞ。」
「はい、ありがとうございます。
ではナルトが待っていますので戻ります。」
言うとカカシはまた瞬身の術でナルトの元へと戻った。
(ナルト、良かったのぉ…。)
それを見送る三代目火影の優しい眼差しは「里の子を見守る長」そのものだった。