あまい日常。

□サスナル会議。  完結
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アカデミーに入学してから半年ほど経ったある日。


放課後はたいてい補修などで居残りをさせられているナルトが、今日は珍しくクラスメートと同じ時間に終わる事が出来た。


いつもナルトが帰る頃には教室はからっぽだが、今日はまだチラホラ人が残っている。


ナルトはキョロキョロと教室を見回すと、一番後ろの窓際の席にいるサスケの姿を見つけた。


「サスケ、サスケ」と近付くと、ナルトは前々からずっと気になっていたことを口にした。


「サスケってばイタチの兄ちゃんともうコイビトになったのか?」


サスケは飲んでいたお茶をブッと噴き出した。


「うげ!きたねーってばよぉ」


お前のせいだろ…と袖で口元を拭いながら、


「ナルト、カカシさんと…なったのか?」


と聞いてくる。


ナルトはアカデミー入学前の事を思い出しながら


「ん、なってねーけど…」


とそっけなく答えた。


急にどうした?とサスケが心配そうにナルトを見上げる。


その時―――


「なになに、恋バナっ?」


後ろからサクラが乱入してきた。


「あ、サクラちゃん!

なぁなぁ、コイビトって、なんだってば?」


聞けば、そんなことも知らないのー?とまくしたてながら色々と教えてくれる。


「恋人っていうのはー、好きあってる二人がずっと一緒にいようねって約束する関係の事よ。

もちろんチューもするし、それ以上だって…キャーーー」


「サクラうるさい」


一人で真っ赤になってキャーキャー言っているサクラをサスケは牽制しつつ、内心では「それ以上ってなんだ…」と気になっていた。


「なによナルト、悩みがあるなら私にいってごらんなさい!」


さすが女の子、そこら辺はすぐに察知した。


「うん。

好きあってて、キスもしてるんだってばよ。

だけどカカシ兄ちゃんってば、恋人になるのは俺がもっと大きくなったらって言ったんだってば」


なにか思い出したのか、途中からシュンと項垂れたナルト。


「そういえば小さい頃公園でキスしろーって話したわね、懐かしー!

そっかぁー、なんだかんだで上手く行ってるんじゃない。

うーんそうねぇ、普通は恋人って言ったら男女のペアだけど…まぁあんたなら良いんじゃない?

きっとカカシさんにも何か考えがあるんだろうから、もうちょっと待ってみたら?」


アカデミーに入る前に会えば公園で遊んでいた三人。


その頃からナルトはカカシの話をよくしていた、と思い出す。


そしてやっぱりサクラは話がはやいな、とサスケは思った。


きっと、他のくノ一に同じ話をしたところで、え、男同士!?と非難されるにきまっている。


「ん、わかったってば!

サクラちゃん、ありがとな!」


「ま、ゆっくり頑張んなさいよ」


笑いながら友達の元へ戻って行くサクラを見送って、


「で、サスケ!

どーなんだってば?」


と、ナルトは話を戻した。


「俺も…まだ、なってない」


いつもクールなサスケが、顔を赤くして答えた。


さすがにサスケはサクラに話す事はしていないが、カカシとイタチがよく一緒に自分たちを迎えに来ていたこともあって、ナルトにはなんでも話していた。


「やっぱ俺たちじゃまだガキなのかなぁー?

サスケもイタチにーちゃんとキスはしてるんだよなー?」


それを聞かれてこくんとうなずきながら、サスケは初めてイタチとキスをした時の事を思い出した―――






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