あまい日常。
□新たな習慣。 完結
1ページ/7ページ
暗部の任務に少しずつ復帰するようになってだいぶ年月を重ねた。
あれからナルトも成長し、初めて会った頃より背も伸び、少しずつだが大人の体つきになってきた。
最近ではカカシも夜中のナルトの寝ている間にこっそり任務に行くだけでなく、昼間から朝方に掛けての任務に就くようになっていた。
「じゃあナルト、行ってくるね。
今日の帰りはもしかしたら明け方になるかもしれないけど、先に寝てていいからね」
朝、ナルトはまだベッドで寝ている時間帯に出発する。
それでもカカシを見送ろうと布団から少しだけ顔を出したナルトの額にチュッとキスを落としてカカシは出掛けようとする。
「あ…カカシ兄ちゃん。
今日は…もうちょっとだけ、いれない?」
ナルトは何やら不安げな眼差しでカカシを見つめる。
時間はギリギリだけど、ま、瞬身の術で行けばどーにか間に合うかな、と考えてナルトが寝ているベッドの縁に腰掛けた。
「どしたのナルト。
久しぶりに甘えたに戻っちゃった?」
そっと髪を撫でてやると、その手をぎゅっとつかまれる。
「そ、そんなんじゃないってば」
慌てたように言うナルトに、「ナルトならいつでも甘えてくれていいんだけどね」とウィンクを投げる。
「さて、そろそろ行かないと。
なるべく早く帰るようにするから、いい子に待っててね」
掴んでいるナルトの手にそっとキスすると、ゆっくりと手を離した。
「おう。
行ってらっしゃい、ってば」
笑ったかと思えば、次の瞬間にはカカシはもう部屋から消えていた。
「ハァ…。
カカシの兄ちゃん…」
ナルトはもう一度寝る事はせずに、ノソノソとベッドから這い出した。