あまい日常。

□小さなライバル。 完結
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「お疲れーっす、カカシ先輩。

どうです?この後僕んちで一杯」


深夜の任務の帰り、カカシは同じ暗部所属のテンゾウに声を掛けられた。


「あー、ごめんねテンゾウ。

俺今日はちょっと急いでるからまた今度、ね」


付けていた面をはずしてごめんねと言いそのまま瞬身で家に帰ろうとしたカカシをテンゾウはひきとめた。


「先輩、最近子供と住んでるって噂、もしかして本当なんですか?」


「子供、ね。

ま、住んでるけどね。」


「え、もしかして先輩って…」


結婚してたんですか!?それとも隠し子とか!?と一人で暴走し始めたテンゾウを多少うっとうしく思いつつ、早く家に帰りたいカカシは説明するより会わせた方が早いと思い、テンゾウを家に連れていくことにした。


「ま、ついて来なさいよ。」


家につくと、静かにドアを開けてそっとテンゾウを家に入れる。


「たぶん寝てると思うから静かにね。」


カカシはそのまままっすぐ寝室に向かう。


そこにはスースーと気持ち良さそうに寝息をたてているナルト。


「え、この子って…」


「そ、ナルトだよ」


「カカシ先輩、ホントにこの子と一緒に住んでるんですか?」


だから見たらわかるデショ、とカカシが言った時、ベッドの中でもぞもぞと動くナルト。


そのままムクッと起き上がると、ベッドの脇に立っているカカシの元へ歩み寄り、ピトッと抱きついた。


「カカシのにーちゃん?

も、朝だってばぁ??」


まだ開ききらない目を眠そうに擦りながらも一生懸命にカカシを見上げる。


「まだ夜だよ。

起こしちゃってごめんね。

ほら、おやすみ。」


そう言ってベッドへと促すカカシに抵抗するように、ナルトはカカシにしがみついたまま何かを訴えるようにじっと見つめている。


「ナルト、どしたの?」


「あ…その…」


「あぁ」


なるほどね、と照れるナルトの仕草で意図を読み取り、チュッと唇にキスを落とす。


「おやすみ、ナルト」


「うん、おやすみだってば」


嬉しそうに笑ってまたベッドに潜り込むナルトを優しく見送ると、カカシはテンゾウに向き直る。


「いやぁ、最近ちょっと寂しがり屋さんになっちゃってね、すーぐ抱きついてくるのよ」


ハハハ、と笑うカカシ。


「一体どんな教育してんすか」


テンゾウはそうつっこみながらも、先程のナルトの可愛らしい仕草が頭から離れなかった。



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