あまい日常。
□キス。 完結
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カカシとナルトが一緒に暮らし初めて数週間が経った。
大人のカカシにとってはあっという間の期間でも、まだ小さいナルトには毎日が目まぐるしく新しい事だらけのキラキラした日々だった。
そんなある日。
「あのさ、あのさ、カカシの兄ちゃんー。」
ポカポカの陽気だし散歩でもしようか、と二人連れだって歩いていたときにナルトが問いかけた。
「ん?どしたのナルト。」
立ち止まってしゃがみナルトに目線を合わせる。
「カカシの兄ちゃんってば、最近ニンムとか行かなくていいんだってば?」
「あー。任務ねぇ。」
そうなんだよねぇ、任務ねぇ、とブツブツ言っている。
「もしかして、俺といるからニンム行けなくなっちゃったり…?」
「いや、今は丁度休みの期間なんだよねぇ。
実は夜にナルトと会ったあの時がすごく長い任務の帰りだったから、しばらくそのお休み。」
「そーなのか?よかったぁー!
俺ってばいつの間にかカカシの兄ちゃんがニンジャ辞めてたらどうしようって実はちょっと思ってたんだってば!」
「心配してくれたのね。」
ホント、最近ますます可愛くなっちゃって。
この懐き具合がまたなんとも―――
今すぐ抱きしめたい衝動をどうにか抑え込んで、ありがとねと頭を撫でてやる。
にしても。
実はこの長期任務後の代替え休暇もそろそろ残りが無くなってきていて、だがまた任務に戻ればナルトを一人置いて行かなければならない事も増えるだろう、とこれが最近のカカシの悩みの種だったりする。
三代目に言ってみるかなぁ。
「ナールト。
俺ちょっと用事済ませてくるから、お前はその間向こうの公園で遊んで待っててくれる?」
「おう、わかったってば!
カカシの兄ちゃん、行ってらっしゃーい!」
ナルトが大きく手を振り踵を返し公園に向かって走り出すのを確認してから、カカシは瞬身の術で三代目火影のいる建物へと向かった。