あまい日常。

□出逢い。 完結
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眠れないな…。


暗部に属してそろそろ結構な月日が経過するが、敵を暗殺する仕事はいつまで経っても慣れるものではなく、今日も眠れずに外にでてぼんやりと月を眺めていた。


満月、か――――


妖艶な月の光に照らされて、こんな夜は何か不思議な事が起こるのではないかと予感がした。


カサッ―――


カカシは腰のホルスターからサッとクナイを取り出し、音がした背後の草むらに意識を集中させた。


こんな時間に誰かいるのか。


じっと目を凝らしてみると、金髪のサラサラな髪の少年が草むらに寝転がって月を見ていた。


子ども・・・?


あたりを見回しても保護者のような人影は見えず、その少年が一人でいるようだった。


カカシはそっとその少年に近付くと声を掛けた。


「ねぇ君、こんな時間に一人でこんなところにいたら危ないよ?」


「うわっ!!」


カカシに声を掛けられたその少年はひどく脅えている様子でその場から飛び退いた。


もしかしてこの少年は、うずまきナルトか―――


ナルトの事はカカシも聞いたことがある、というよりはよく知っていた。


四代目によって九尾を体内に封印された子供。


身寄りが無いとは聞いていたが、まさかこんなところに一人でいて危なくない訳がない。


「ねぇ君、名前は?」


カカシはニッコリと笑いなるべく警戒心を抱かれぬようにそっと聞いた。


「え・・って、そんな顔半分隠した怪しいやつに名前なんて教えてやらないってばよ!」


あら、すでにすっごく怪しまれちゃってるのね。


カカシは内心ため息をつきながら、でもここにこの少年をほうっておく訳にもいかずしばらく相手をすることにした。

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