♭04 メサイア 第一部より抜粋/G.Handel
Messiah

2.Comfort ye
歌詞

3.Ev'ry valley
歌詞


演奏
うめ(Tenor Vo.)、ゆい(Piano)、
yuan(Violin)、くろうさ(Cello)

演奏時間:7分


幼少から音楽の才能に恵まれたG.F.ヘンデル(1685-1759)は、
父親の反対を押し切り音楽の道へと進む。

数多くのオペラを作曲し
栄光をほしいままにしたヘンデルだが、
これを妬んだ一部の貴族の邪魔にあい、
自らのオペラ劇場が倒産してしまう。
更には過労がたたり、病の床に倒れてしまう。

そんな挫折の淵から不屈の精神で
カムバックしたヘンデルは、
53歳の頃からオラトリオの分野に身を投じる。
しかし新たな分野でも苦労は絶えず、
生活は困窮を極めた。

そんな折り、アイルランドのディッシャー公を
中心とする貴族達が、
ヘンデルを助けるために新曲を依頼した。

早速創作を開始したヘンデルは、
不眠不休の作業の末にわずか24日間で
演奏時間150分、354ページにわたる大曲、
オラトリオ「メサイア」を完成させた。

初演当初から大絶賛をはくしたメサイアは、
ハイドンの天地創造、メンデルスゾーンのエリヤと共に
世界三大オラトリオとして、
現在に至るまで確かな地位をものにしている。

メサイアは聖書を元に歌詞がついており、
予言と成就、すなわちキリストの誕生を表す第一部。
キリストの受難と罪の贖いを表す第二部。
復活と永遠の命を表す第三部。
これらの三部から構成されている。

今回演奏するのは
第一部序曲に続き演奏される冒頭の2曲である。
ヘンデルが作曲した当初のスコアは
比較的単純なものだったが、
モーツァルト、メンデルスゾーン他が進歩した
管弦楽の技術にあわせて加筆して現在に至る。

今回はそれを更にピアノ、チェロ、ヴァイオリンの
トリオの構成に編曲して演奏する。

この2曲は旧約聖書の内の一書である予言書、
イザヤ書から詩をとっている。

「主の道を整えよ、谷を埋め、丘をならせ。」
キリストの誕生を予感させる詩を乗せて
音楽は遠くから響いてくる。
次第に輪郭を明らかにするその言葉は、
いつしか聴衆を導く力強い歌へと姿を変えていく。
全てはここから始まるのである。

(うめ)


※オラトリオとは、声楽(独唱・合唱・時に重唱)、
オーケストラによって演奏される大規模声楽曲。
オペラと違い演技はつけず、大道具なども用いない。
詩には物語性があり、
多くの場合キリスト教的な題材をとる。

宗教曲を演奏する際、聖書の言葉を歌う、
すなわち詩を通して神との対話をするため、
歌手は慣例的に楽譜を持って演奏する。







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