哀寂しい心
□家出
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雨の降った夜
私は親と今までに無い大きな喧嘩をして、なにも考えずに家を飛び出した
手に持っていたものといえば、白いカバンの中に入れた携帯と、全財産の入ったよれよれのサイフ
私はどこか行くあてを探すためにフラフラしていた
小さな電灯で照らされた道路と歩道
暗くて、正直怖くてならなかった
ブルブルブルッ
マナーモードに切り替えられていた携帯が動いた
ビックリして、カバンの中を覗く
相手は、中学校の時の友達の、優香だった
しばらく連絡をとっていなかったので、正直ビックリした
ボーッと携帯を見つめていた
バイクの通り過ぎる音でわれに返る
慌てて電話に出た
「はい」
向こうは元気そうだった
小学校の同窓会がどうのこうのと、内容は特別といえるほどのものじゃなかったけども
久しぶりに話したのもあって、話は大分弾んだ
近いうちにまた逢おうとか
家出をしているのも忘れていろいろな話をした
車の音やバイクの音が気になったのか
「どこにいるの?」
と聞かれた
「家出してr」
言いづらくもなんともなかった
ただ、寂しくて、優香にいえばなんとかしてくれんじゃないかなって、甘えたかった気持ちが焦っただけ
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