星々の行く末を知る者たち
最初に『やみ』があった。
『やみ』長い、長い時のはざまに生きていた。
『やみ』はあまり長い間さびしさの中で苦しんだために、ついに『なみだ』を落とした。
『なみだ』から二人の兄弟が生まれた。
『剣』と『たて』である。
『剣』は全てを切り裂くことができると言い、『たて』はいかなるものにも傷つけられないと答えた。
そして二人は戦うこととなった。
戦いは七日七晩続いた。
『剣』は『たて』をきりさき、『たて』は『剣』をくだいた。
『剣』のかけらがふりそそぎ、空となった。
『たて』のかけらがふりそそぎ、大地となった。
戦いの火花が星となった。
そして、『剣』と『たて』をかざっていた27の宝石が『27の真の紋章』となり、世界が動き始めたのである―――
最初の『やみ』は何を思ってか、主を求め世界を渡り
『なみだ』も最初の『やみ』と共に主を探す
それが変革の時となり、世界を巡る――
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