小さな物語

□硝子の靴も無いのに
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シンデレラは帰り際に硝子の靴を落とすことで王子様に認識してもらうことが出来ました。


そしていつまでも愛し合うことが出来ました。





では、私はどうすればいいのでしょう。


クラスでは一切目立ちません。

話しかけられたことも無ければ話しかけることもありません。

可愛くもありません。

賢くもありません。

器用でもありません。

彼が好きなテニスはルールすらよくわかりません。



勇気もありません。




何も無い私が四天宝寺の王子様である白石君の瞳に映るには一体何を残していけばいいのでしょうか。




硝子の靴も無いのに

(少女は気付かない)
(少年の視線の先に居るのは誰なのかを)





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