小さな物語

□心崩壊
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ボスへ書類を届けるだけの筈だったのに、
中から聞こえてくる声に耳を傾けてしまった私はどれだけ愚かなのだろう。







ボスの珍しく荒々しい声と
これまた珍しく苦しそうなリボーンの声。




先ほど私をフった男が、何故ボスと喧嘩もどきのことをしているのだろうか。




そっと扉に耳を押し付ける。






『だからっ・・・そんだけ好きならOkすればよかっただろ!!』

『・・・出来るわけねぇだろっ!!』

『だから何でだよ!!』

『しかたねぇだろ・・・俺が触れたら、あいつが壊れてしまいそうで怖ぇんだよ・・・』





語尾はほとんど消えかかっていた。


体を離し、いつの間にか落としていた書類を拾う。




「触れたら壊れてしまいそう」



その言葉が一番痛かった。





気付いて。
触れられないほうが私壊れやすいのよ。

貴方の唯一の欠点は優しいところね。





心崩壊

(気付けば書類は文字が滲んでしまっていた)






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