小さな物語

□約束
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俺はあいつが死んだと聞いたとき取り乱すことはなかった。



葬式を挙げても泣くことはなかった。




墓石を見ても何も感じなかった。










愛した女が死んでも悲しまないなんて、俺はなんて無感情な男だ。





そう思いながらあいつの私物を片付けていると、肘に何かが当たった。






「何だぁ?」








それは写真だった。



付き合った記念に二人で撮りたいとあいつが言うから撮ったものだった。







胸に、何かがこみ上げてくる。
思わず唇を噛み締めてしまう。
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