長いお話
□疲れる
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広い邸内に立ち尽くす私。
パーティのためにと派手に着飾られた自分に吐き気がして眉をしかめる。
「お披露目だからってここまでしなくてもいいじゃない」
一人ポツリと呟いた。
「機嫌悪そうだね」
「沢田様・・・・・・」
眉尻を下げて笑う沢田様に、なんだか申し訳ない気持ちになる。
「あそこのバルコニーで休んでなよ」
「お気遣い有難うございます」
深々と頭を下げ、少し足早にバルコニーへ向かう。
見上げれば月が神秘的な光を放っていた。
ああ、いつ終わるのかなこのパーティ。
疲れる
(そういえば帰ったら話したいことがあるって隊員がいってたな)
(めんどくさ)