長いお話

□36℃
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クーラーによってキンキンに冷やされたヴァリアーの談話室。


入った当初は涼しいと感じていたが、
今は体が小刻みに震えるぐらいだ。



自室から引っ張ってきたブランケットに丸まってみるも一向に暖かくならない。



温かいココアを入れてもらったが、猫舌の私には熱くて飲めるはずもなく、部屋の冷気によって熱を奪われアイスココアになっていた。








「うぅ〜、寒い」

「先輩何やってんですかー?」






私の大好きな後輩が馬鹿にしたような目で見てくる。

心が痛いわフラン。






「寒くってさー」

「ああ、ベル先輩が悪戯でめちゃくちゃ温度下げてましたからねー」







知ってたなら何故温度を上げない。



ベル(あとフラン)に対する怒りの衝動を抑え、フランを手招き。



素直に隣に座ったフランに
そっと抱きついてみる。


少しフランの体がビクッと跳ねたが、すぐに落ちついた。









「先輩冷えきっててなんかゾクってしましたー」

「だろうね。フランが物凄くあったかい」







対服越しに伝わる体温は私を眠りに誘うのに十分だった。




36℃

(抱きつかれるのは嫌じゃないからいいんですけどー)
(温度上げてって言えば済むと思うんですがー)








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