長いお話
□プロローグ
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遥か昔。
最強と謳われたものがいた。
名を「ホワイトウルフ」という。
その名の通り、白い狼のことだが、
狼には魔力があった。
術を使ったり、どんな傷も治したり。
中でも不老不死であることは有名だった。
その力を求め何人もの権力者たちが争い、血を流し、全てを失ってきた。
さらに深く調べようと、人間は狼を研究し
狼を捕らえては様々な薬品を流し込んだ。
実験体にされた狼は、心を閉ざし、術によって姿を人に変え、ひっそりと暮らした。
だが、今日になってまた狼のうわさがたつようになった。
「あの伝説の狼が蘇った」と。
これは、その一匹の狼の話である。