短編

□日本を見据える仏頂面:穂謙
3ページ/6ページ





「もうここでええわ」



謙也の住む街まで帰ってきた穂走の車


謙也はここで降ろせと促す



「そうか」



そう言って車を止める穂走




「ほなな」

車を出ようとする謙也












「えっ?!」



だがそれは謙也が車のドアに手をかけた時に止められた








謙也の腕を穂走が掴んでいたのだ







「どないしたんや?」






「・・・・・・・」



穂走は俯いて黙ったままだ






「おい・・穂走?」




謙也は俯く穂走の様子を覗うように顔を覗こうとしたときだった



















































「っ?!!!!」







突然引き寄せられて唇に暖かなぬくもりが走った















キスという行為だ
























「んっ・・・・・ぁ・っ・・・・・」



それは段々と深いものになって行き、艶やかな声が漏れる



息をしようと謙也が僅かに口を開けたのを狙っていたかのように穂走は舌を入れる


「んあっ・・・あっ・・・ハッ・・・・んんっ・・・・」



即座に捕まえられて絡みつく舌と舌



ピチャピチャという水音が車内に響く



その後も穂走は貪るように謙也に深い口付けを続けた








「やっ・・・あっ・・・・・ん・・・・・・」



息ができなくなり、謙也は厭らしい声を漏らしながらドンドンと穂走の胸を叩いた







穂走はゆっくりと唇を離した



すると銀の糸が2人を結ぶ




それを穂走がペロリと舐め取った







「ど・・・・・して・・・・・?!」



息をきらしながら謙也は目に涙を潤ませながら問うた







「キスがしたかったから それだけだ」




真っ直ぐな瞳で穂走はそういった





「っ・・・・・!!!」



謙也は顔を赤面させながら車を降りた













*
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ