短編

□お兄ちゃん禁止令:翔謙
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兄離れを決行するため謙也は翔太が風呂に入ってる間にリビングでくつろぐ両親に相談した


「なあ、翔太をそろそろ兄離れさせて欲しいんやけど・・・」

「確かに・・・・翔太の謙也への執着心は・・微笑ましいを超えとるな・・」

「まあお母さんとしては2人が仲良くてええと思うんやけどー」

「オカンッ!!!本気で堪忍してえやー このまま翔太が俺にベッタリやったら彼女の1人もでけへんやんけ」

「うーん・・・まあ・・翔太もいつまでたっても謙也にひっついとったらアカンやろしなあ」

「どないする?お父さん」

「よっしゃ、俺が翔太に話つけたろ」

「ホンマかオトン!!」

「おお、風呂あがったら翔太と話したる」

「これで・・・俺も彼女できる・・・」


「ちょっと謙ちゃん!!」

「な、何やオカン?!」

「翔ちゃんのことはまだしも彼女はまだ早い!!」

「万里子?!」
「オカン?!」


「お母さん寂しいやないの!!」

「オカンも恥ずかしいこと言いなやー!!」




ようやく翔太のことは父親の助言でどうにかなりそうだと安心していたが次は母親が彼女作るの禁止だの言い出してリビングは再び騒がしくなった


「なんや皆集まって・・・・」

風呂からあがってきた翔太が首にタオルをかけてリビングに入ってきた


「翔太か、丁度よかった こっちきいや」

「? おん」




「って・・・ちゃっかり俺の横座んな!!」

2人掛けのソファーに父親と謙也が並んで座って、てっきりその向かいのソファーに翔太が来ると思っていたら無理矢理謙也の隣に座る翔太

「やってー 俺兄ちゃんの隣がええもん」


「やってーちゃう!!向こう座れや!!」



翔太はしぶしぶ向かいのソファーに座った



「で、何?」


「翔太、お前今日から兄ちゃん禁止な」


「えっ?!何で?!」

「お前もう中学生やろ?いつまで経っても兄ちゃんにひっつくん恥ずかしい思わんのか」

「おん、やって俺兄ちゃん好きやもん」

「そら兄弟仲ええんはええこっちゃ、せやけど今のお前見とったらひっつき過ぎや」

「けどっ・・・・」

「とにかく、それは謙也のためでありお前のためでもあるんやで翔太」

「っ・・・・・・」

「勝手に抱きつくんも風呂に侵入するんも膝枕もベッドに勝手に入るんも寝かしつけてもらうんも禁止や、」

「そんなっ・・・・」


「翔太、何も喋るな言うてるわけとちゃうんや、普通にしとったらええねん」

謙也が泣きそうになる翔太をフォローする
が、

「普通って・・・俺にとったら今までのんが普通でオトンが言うとることが異常なんや」

「異常って・・・・・・」
「うーーーーん・・・」
「困ったねえ・・・・」



まさかこう切り替えしてくると思わなかったため父親も母親も謙也も返答に困る


「大体普通って何やねん・・・・」

「いきなり抱きつかんし風呂入って来んし許可無しに膝枕もせんし勝手にベッド入って来んのが普通や!!」


「そんなん知らん!!誰が決めたんやそんな普通」

「はあ・・・・・・・」


ああ言えばこう言う状態が続く



「とにかく翔太は兄ちゃんに甘えるん禁止や、分かったな」

「嫌やっ!!」

「アカン!!やぶったらそうやな、1ヶ月は謙也に口きいてもらえへんで」

「えっ?!ホンマか兄ちゃん?!」

「え?!ああ、うん 口きかんで」


「っ・・・・・・・・・」




相当ショックを受けたのか翔太は肩を落として自室へと戻っていった






「あれでちょっとは大人しくなればええんやけど・・・」

「ちょっと可哀想やったかしら」

「いやいや、オカンあまいわ」






こうして翔太のお兄ちゃん禁止は始まった



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