短編

□一緒が良い:翔謙
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翔太はうつむく

兄は両親に何て言っているのだろうか


不安だけが過ぎる






























ガチャッ


再び兄弟部屋のドアが開かれた


ビクッと身体が反応した





「翔太、言って来たで」


そう言いながら翔太の方へやって来た


「・・・・何て・・言うたん?」
恐る恐る問いかける


「部屋もう1つ用意して貰うよう言って来た」

「やっぱり別々の部屋にっ・・・」



やはり分かってくれなかったのか、謙也が両親に話したことは部屋ももう1つ用意してもらうことだった







翔太の止まっていた涙腺が再び歪む





「安心しぃ、そっちは俺の勉強部屋になるだけやから」

「え?」


「受験勉強となれば夜遅くまで電気つけとかなアカンしリスニングのCDかて鳴りっぱなしになるやろ?せやから勉強するときだけ使う部屋用意してもろたんや、翔太がちゃんと寝れるようにな」



そう、謙也は両親に


「オトン、オカン、今翔太と話してきたわ」


「どうやった?翔太は」

「拗ねとった、せやけどちゃんと翔太の意見聞いてきたから」

「どうするんや?」

「もう1つ部屋用意してくれへんか?」

「やっぱり別々にするんやね?」

「いや、そういうこととちゃうねん」

「どういうこっちゃ?」

「俺の勉強部屋だけ作って欲しいんや」

「勉強するためだけの?」

「そうや、寝るのも着替えんのも娯楽とか勉強以外のことは今まで通り翔太と一緒の部屋でええ」

「謙也はそれでええんか?」

「翔太の我侭に付き合う必要は無いねんよ」

「俺はかまわん、翔太は俺らの誰よりもあの部屋のことよう分かっとったわ」

「翔太がねえ・・・」

「受験なったら夜遅うまでは勿論、朝まで勉強することもあるやろ?そしたら翔太がちゃんと寝れへんくて可哀想やろ?せやから頼むな」



それだけ言って謙也はリビングを後にした







「謙也・・・・」

「ホンマ、ようできたお兄ちゃんやわあ」

「けどさっき謙也の怒鳴り声聞こえたで?」

「それでも翔太をちゃんと大事にしてるやないの」

「そうやな」







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