短編

□本題は鍵をかけてから:オサ謙
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オサムは下にいる謙也の髪を掴み上を向かせる



「オサムちゃんはなあ、ずっと謙也のこと気に入っててんで」

「っ?!」

「せやのにお前は千歳千歳ってー ちったあオサムちゃんのことも見てくれてもええんちゃう?」


「(オサムちゃんが・・怖い・・・・・なんで・・なんでこんなこと・・・・・)」


「なあ・・・俺が怖いか謙也?」

「えっ・・・・」


今まさに自分が思っていたことを問われる


「怖いか?俺のこと」

コクリと小さく頷く

「怖い・・・・オサムちゃん怖い・・・こんなオサムちゃん、嫌ゃぁ・・・・」

最後は声にならないほどの小さい声で訴える


が、




パァーーンッ!!!!!





オサムは掌で勢いよく謙也の頬を打った


「ホンマ謙也は素直やな、せやけどたまには嘘ついてでも「怖ない」って言わんとなあー、オサムちゃん傷つくわあ」



つうっと謙也の唇の端から朱が流れた

「あれー?歯あ食いしばらんかたんか?あ、まさか殴られるとは思わんかったか?」


「なんっ・・・でっ・・・・」

謙也の瞳から零れる涙

「っっ!!!!??」

それをレロリと舐め取るオサム



「しょっぱいなあ、せやけど謙也 お前の泣き顔最っ高やわ

そんなとこも含めてお前のこと好きやねんで、わかってくれるか?謙也」



きっと嘘をついて頷けばもう暴力を受けなくて済むかもしれない・・・けどその先に待っているのは暴力よりも受けがたいものということは予想できた。


「・・わ・・らん・・・」

「ん?何や?」

「・・っ分からんっ!!・・・もうっ止めよぅゃ・・・なん・・でっ・・・・オサムちゃっ・・・オサムちゃ・・んの考ぇることがっ・・・・分から・・へんっ!!!!」



涙をボロボロ流しながら謙也は必死に訴えた。

「もぉっ・・・止めぇ・・こなぃなことっ・・・・」


言葉にならない声で必死に、必死に訴える。






























「残念や謙也、お前にわかって貰えんくて」



恐る恐る目を開けて見上げたら先ほどと変わらない冷たい視線を自分にぶつけてくるオサムの姿


「ッひっ・・・!!!」

思わず言葉を無くす



「こないに俺はっ!!!」




パァン!!!!



「お前のことっ!!!」



パァン!!!!





「好きやのにっ!!!!」




パァン!!!!




「愛しとんのにっ!!!!」





パァン!!!!




「分かってくれや謙也っ!!!」



パァン!!!!






「分かれやぁっ!!!謙也ぁあああっ!!!!」






オサムももう怒鳴り散らすように叫び何回も謙也の頬を打った






「っ痛ぅッ・・・・う゛ぅ・・・・っ・・」


こんなにも自分を愛してくれてたんは嬉しい、けど自分には大好きな奴がいて、こんな暴力が認められなくて・・・・オサムからの愛が受け止められなくて

それでも謙也は抵抗もできずにただただオサムの暴力が収まるまで耐えた
















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