短編

□本題は鍵をかけてから:オサ謙
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中に入ると制服に着替え終えた謙也がオサムを待っていた

「話ある言うて遅いやんかオサムちゃん」

「スマンな、白石と話しとったんや」

「んーまあええわ、で?話って何や?」

「謙也、お前なんで準決勝千歳に譲ったんや?」



謙也とは向かいの席に座り
タバコに火をつけながら問うオサム
まさかそんな話題がふってくると思わなかった謙也は戸惑う

「え?準決勝って・・・・そんなん強いモンがコートに立つんが当たり前やろ」

「阿呆、お前も強いわ」

「せやけど俺はあれほど手塚と戦いたかった千歳を放っておくわけにはいかんかってん

ていうか最後にオーダー出したんはオサムちゃんやろ」


「せやけど、まだお前が何で千歳に譲ろうとしたんは聞いてへんかったやろ」

「俺では手塚に勝たれへんかった」

「千歳も勝たれへんかったやないか
もしかしたらお前が戦っとったら
勝てたかもしれへんかったのに」

「俺はっ・・・俺は千歳に手塚と戦わしたかってん」

「言うてることがちゃうやないか?

俺では手塚君に勝たれへんから譲ったって言うたり千歳に手塚君と戦わしたかったって言うたり・・・お前は千歳が好きなんか?」


「なっ・・んなわけないやろ?!」

「お、そのわりにきょどった態度取るやないか」

「はあ・・・・オサムちゃんは何が結局言いたいん?」

「確かにな、最後にオーダー決めて提出したんは俺や、せやけどな俺はホンマはお前にダブルス1出て欲しかったんやで」

「・・・・・・そんなん、言うたらアカン」

「謙也の大好きな千歳に失礼っちゅう話か?」

「・・・・・・・」


「否定せえへんのか」

「・・・今日のオサムちゃん、何かおかしいわ・・・・」

「ははっ、言うてくれるやないか」

「もうこの話やめようや」

「せやなあ、ほな本題に入ろか



謙也が千歳好きっちゅうことが分かったことやし」







オサムは机に置いてあった鍵を取ると
内側からガチャリと鍵をかけた







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