短編
□君に世界を:穂謙
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俺は穂走に殺される運命でありながらも一つの願望がある
それは
人の命を助けるという医者になりたいという俺の夢がそうさせるのか
はたまた突如芽生えた願望なのかは俺自身にもわからへん
せやけど
俺は穂走を助けたい
そう思った
被害者は一体誰なんか
きっと普通に言えば命を狙われたターゲットである俺かもしれへん
せやけど
あんな残酷なゲームにおぼれている穂走は俺からしたら、ターゲットである俺なんかよりもよっぽど可哀想やとおもう
あいつに世界を見せたい
命を狙っとる人物に対する思いにしては優しすぎると言われそうや
せやけど
世界を知ることで穂走が少しでも変わってくれるんやったら
少しでも救われるんやったら
俺はあいつに世界を見せたいと思う
それは俺が助かりたいからという生ぬるい思うやなくて
ただ
あいつを助けたい
という気持ちだけや
*