短編
□愛を知らない:穂謙
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「あの・・・・・穂走さん・・・」
その日、テツは穂走の部屋を訪れた
「どうした?テツ」
「最近、どうしはったんですか」
「どういうことだ」
「ターゲットんこと、大層気に入ってはりますし
正直・・・・・・ホンマに殺す気あるんか心配になったんです」
「それは・・・・・俺も落ちたもんだと言われてるように聴こえるが?」
「そっ・・・そういうつもりやありません
いままでやって確実に成功してきたしそれにこれからもっ・・・・・・」
「これからも・・・・か・・・・・」
やはり違う
テツはそう感じ取った
謙也が現れる前と今じゃ穂走の様子が変わってしまった
「そうですよ、さっさとアイツ殺して次のゲーム行きましょうや
アイツ、穂走さんに気に入られとるん有頂天に思ってるんちゃいます?油断してる今がチャンスですよ」
「ねえ・・」
「はい?」
「テツって恋したことある?」
「穂走さん・・・・突然どないしたんですか?!」
「いや・・・・ちょっと・・」
「・・・・・・・・・んーまあ・・・この世界入って施設にいた頃よりかは女と交流増えましたし
人並みには・・・・・」
「そうか・・・・・・・」
「それがどうかしたんですか」
「いや・・・人を好きになるって
何なのか
そう思っていて・・・・」
今テツの目の前にいる穂走は
恋 とはどんなものなのかわかっていないと言っているが
そう言いながら誰のことを思っているのかテツにはわかった
そしてそれが恋をしている姿ということも
*