ゲームパロ置場
□バイ○ハザード・ぬら
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ガタンゴトン・・・
ガタンゴトン・・・
走り出した列車の中を、氷麗はゆっくりと歩いていた。
座席には、何体もの人間の死体が座っており、不気味なことこの上ない。
「まったく、いったいこの列車はどうなっているのかしら?」
氷麗は一体一体の死体を確認しつつ、慎重に歩を進める。
まるで、その中に動く者がいると確信しているかのように。
「よし、もう『動く死体』は居ないようね。」
特殊部隊S.T.○.R.S.の隊員である及川氷麗が死体だらけ列車に乗り込み、凶悪犯の捜索を始めた所、突然列車が動き出した。
それだけでも十分驚きなのに、死体が突然動き出し、襲いかかって来たのだ。
氷麗はなんとか『動く死体』の襲撃を跳ね除け、再び捜索を再開し、そして『動く死体』がもういない事を確かめると、2階客室への階段を上って行った。
「なに?この蛙の卵みたいなの。」
二階に登ってみれば、通路を塞ぐように、ぶよぶよした塊が埋め尽くしいていた。
蛙の卵に似ていないこともないが、それよりははるかに巨大で、そして筒状では無く全体にわたって粘液質のもので覆われていた。
「これじゃあ向こうに行けないじゃないの。よし、フーッ。」
氷麗が息を吹きかけると、ぶよぶよした塊があっという間に凍りつき、そして粉々に砕けていった。
「よし、これでOKね。」
「ちょっと待ったーーーー!」
「きゃあ!?」
自分が上がってきた階段から、物凄い勢いで一人の男が駆け上がってきたかと思うと、氷麗が身構えるよりも早く両肩をガシリと掴まれた。
「あ、あなたは脱走犯の奴良リクオ!」
「これじゃあ俺の出番がねぇだろ!?」
「え?」
襲われるかと思ったが、そうでもなく、リクオは何故か必死に懇願するように訴えかけてくる。
「そんな裏技でここ突破したら、出会いのシーン無くなるだろ!」
「え?でも私ならこれくらい当たり前ですよ。
水分の多い敵のようですから、私なら簡単に全滅できますし。」
相性いいんですよね〜、と嬉しそうに言う氷麗に、リクオの顔が青くなった。
「もしかして、俺いらねぇ!?」
「はい。」
氷麗はニッコリと笑いながら、ガチャリとリクオに手錠を掛けた。