作品置場

□ぬらりひょんの血
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最近どうも側近達の様子がおかしい。いや、氷麗だけは何時も通りなんだけど、氷麗を除いた皆が集まっては、何やらコソコソと話をしているようだ。
ほら、また集まって・・・ん?ボクをちらちら見ている?
黒田坊と目が合うと、彼は皆に何か一言二言告げて、何か意を決したような顔でこちらに近付いてきた。
何だろう?

「リクオ様、一つお伺いしたい事があるのですが。」

「なんだい改まって。」

「首無しから聞いたのですが、リクオ様は氷麗の子どもの頃の写真を見られて鼻血を出したとか。」

その事で話をしてたのかよ。首無め余計な真似を・・・とと、そういえばそんな事もあったっなぁ。
あの時はなんというか、どうにも血が抑えられなかったというか・・・いやいや違う。
あれは氷麗の子ども時代に対する好奇心というか、ずっと姉のように(ドジだから最近は何か違う感じもするけど)接して来たから子ども時代なんて想像つかなくて、つい興奮してしまっただけだよ、うん。

「あれは氷麗が好きだからですか?それともロリコ○の血が騒いだからですか?」

「ぶっ!な、なんだよそれ!」

「いえ、もしリクオ様がロリコ○の血に目覚めたのであれば、近所のパトロールを強化する必要があるので。」

それどういう意味!?

「子どもを守るのが本筋の拙僧といたしましても、ぜひその点は確かめたく、失礼を承知でお伺いいたしました。」

うん、失礼だよね。

いや、ここで怒ったら、逆にロリコ○だと認めたような感じがして不味い。
じゃあ氷麗が好きだから?うーん、どうなんだろ。
『好きか嫌いか?』と聞かれたら、もちろん大好きだって答えるけど、それって鼻血とは関係ないと思うしなぁ。
あ、噂をすればちょうど氷麗が来たじゃないか。

「ねぇ、氷麗。ちょっと聞きたい事があるんだけど。」

「はい、リクオ様。いったい何でしょうか?」

てててて、と小走りに駆け寄ってきた氷麗は何かとっても嬉しそうだ。
うん、この笑顔ってほんと見ると安心するよね。

「氷麗は僕の事好き?嫌い?」

「はい!もちろん大好きです!」

ペカーと満面の笑顔で答える彼女を見て、やっぱりそう答えるよな、と僕は何度も頷いたが・・・黒田坊が怪訝な顔をしている。
ああ、なんでこんな質問をしたのか不思議がっているんだな。

「うん、僕も大好きだよ、氷麗。
 ああ黒田坊、今のはさっきの質問の事でちょっと確認したくてね。
 それでほら、氷麗が僕の事を好きだって言ってくれるのが当たり前のように、僕も氷麗が好きだって思うのが当たり前だからさ。」

あれ?何だか氷麗の顔が赤くなっている?
それに反して黒田坊の・・・いや、それだけじゃなく首無達の表情も、なんだかだんだん無表情になっているような。

「そもそも一番好きでないと、側近頭にするわけないでしょ?」

「そ、そういう基準で決めていたのですか?」

「うん、もちろん。」

「リクオ様〜〜〜〜!何でワシじゃなかったんです!?」

「いやそれムリ。」

突然割って入ってきた青田坊が、一瞬で轟沈しちゃった。ちょっと言い過ぎたかな。でも、どう考えてもやっぱりムリだし。

「えーと、雪女。たしか小学生の姿に変化できたな。」

「え?ええ、できるけど、どうして?」

「ちょっとここで変化してみてくれないか。出来れば低学年の姿で。リクオ様の為だ。」

「何だかよく分からないけど・・・えいっ。」

突然何を言い出すんだ、と止める間もなく、氷麗の姿がランドセルを背負ったピカピカの1年生の姿に変化すると、クルリと僕の目の前で一回転した。

「どうですか?リクオ様。」

「カッ、カワイイィィ!!」

え?なにこの可愛いさ!反則じゃないか!
そういえば小学生の頃から護衛していたって聞いたけど、もしかしてこんな凄い姿で護衛していたの!?

「リクオ様、鼻血が出ています。」

黒田坊の残念そうな声にハッとしたボクは、慌てて手で鼻を押さえて血を止めた。
う・・・なんだか皆の視線が痛い・・・

「氷麗、リクオ様の前で子どもの姿には絶対化けちゃダメだぞ。」

あ、首無、余計な事を・・・いやいや、違う。ボクはロリコ○じゃない。

「でも、あと10年もしたら今度は今のつららの姿に欲情しちゃうわよ、きっと。」

「あまりはっきり言わないでくれ、毛倡妓。」

欲情って、僕は別にそういうつもりで氷麗のランドセル姿を見ていた訳じゃない!

「まぁ、それはそれでいいんじゃないの〜。今とそう変わんない気がするし。」

それってどういう意味!?

「「それもそうか。」」

皆納得しないでよ!違うって!なんとかして早く訂正しないと!
ああ、氷麗までそんな目で僕を見ないでよ!

「いいか!ボクはロリコ○なんかじゃない!氷麗だからいいんだ!」

よし、これでいいは・・・ず?




END
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