お題

□バカップルなお題
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今日も今日とて当然の如く部屋にいる殺人鬼、零崎人識。
何なの?バカなの?死ぬの?この部屋にいたら幸せになれるの?
そんな嫌味ともとれない文句を存分に含ませた視線を零崎に向ける。
そんな僕の視線に気付いても零崎はいつものようにニヤニヤするだけだった。

「欠陥製品」

ニヤニヤしたまま零崎は僕に話しかける。

「…なんだよ」

「この前お前、お前の『友達』の蒼髪娘にさ」

脈絡がない話をする零崎。
そしてやたら友達を強調する零崎。
いいんだけどね。別に。

「うん」

「こう、抱き締めてもらってただろ?」

「うん、あれが玖渚にとっての充電だからね」

「充電!?何だそれ、羨ましい!」

「何?零崎も玖渚に抱き着いて貰いたいの?……ロリコン」

少しムッとなる。

「ちげぇよ、かはは。そんなやきもち妬くなって。俺もいーたんに抱き着きたいってことだ」

妬いてないし。
妬いてないし…

「気持ち悪い」

「なんで!?」

「冗談だよ。いや、戯言かな」

「してやったりっていう顔で見られても欠陥、お前それ全然うまくねぇからな」

「えっ」

なんてことを言うんだ。零崎は。
僕がとっても恥ずかしい奴みたいじゃないか。

「あ、いーたん照れてる」

「っるさい…」

人の傷口を抉るな。

「かはは、やっぱりいーたん可愛い」

笑いながら零崎は僕に近寄ってくる。
そのままぴっとりと体を密着させ、腕を僕の背中に回してきた。

「あのさ、なにしてんの」

「あー…」

「なにしてるのかって訊いてんだろ」

「かは、んーとな」

蒼髪娘が充電中だから…、と零崎は続ける。
…?
何言ってんだ。この殺人鬼。

「対抗して、栄養補給?」
あぁ、
零崎の言いたいことがわかった。

「………………」

僕が何と返せばいいのか分からず黙っていると零崎は急におどおどして

「え、俺とこうしているの嫌だったか?」

と訊いてくる。
僕は

「…………嫌じゃないよ」
とだけ返しておく。

「かはは、よかったぜ」

「でもまぁ、……栄養が全部補給されるまでの間だけだからな」

やはり少し恥ずかしくなってそんなことを口走る。

そんな僕に対しても零崎はかはは、と笑って

「了解」


とニヤニヤしながら言ったのだった。


お題:栄養補給の手段は…
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