その他

□兄の許可
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「こまりちゃんこまりちゃん」

「え?なあに?鈴ちゃん〜」

「ちゅ、ちゅー」

「? 喉が渇いたの?」

「ち、違うっ!!だ、だからっ…」

「どうしたの〜?」

「あたしはっ!!こ、こまりちゃんと…きっ…」

「き?」

「キットカット」

「ちょこれいとが食べたいならそういってくれればいいのに〜はい、あーん」

「うゅ…あ、あー…」

「おいしい?」

「…………うん…っじゃなくてっ」

「ふえ?」

「えと…き、き…ぅ…うみゅ…」







「っていう会話を小毬と鈴がしてたのが十分前の話だが」

と、恭介は神妙な顔で僕に言う。

「えっ…と」

「理樹、俺はどうすればいい」

「なんていうか…うん…」

「それは兄として応援すべきです」


「わっ、西園さん!?」

「お、応援すべきって」

「はい、私は百合も美味しく頂けます」

「百合?西園さん百合の花を食べるの?」

「いえ…そういうわけでは…それは置いといてですね。今は鈴さん逹の話です」

「あぁ」

「先程の鈴さんはどう見ても神北さんに恋しています」

「に、西園さんっ!!恋って…」

「そうだ!お前うちの妹をレ

「それ以上はいけません。あくまで百合とオブラートに包むんです」

「…………百合呼ばわりする気か…」

「でも事実そうですよね」

「ぐ…」

「いいじゃないですか、どこぞの馬の骨に取られるよりは」

「……そうかもしれん」

「もういっそ兄妹揃って百合薔薇になってしまえば…そうです!この調子で恭介さん、この場で直枝さんと」

「ちょちょちょ、まってよ!なんかどさくさに紛れて変なことにしないでよ!」

「まぁここが私にとっての楽園になる日は遠くないでしょうね」


「なにそれ怖い」

「おい、お前ら鈴のことを忘れてないか」

「いえ、そんなことありませんよ」

「そうか?」

「もう鈴こまでよろしいんじゃありませんか?」

「いや…でも……」

「はぁ…そんなに言うならあちらを見てください」

そこには手を繋いでる今話題の二人がいた。

それはもう初々しいカップルのような。


「…………………」

しばしの沈黙の後恭介は口を開いた。

「鈴の道は鈴が決めることだよな!!」




鈴こまが兄公認になった瞬間だった。

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