戯言/人間シリーズ

□冬
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「さみぃよいーたん…」

がたがたがたと隣で歯をガチガチさせている某殺人鬼。

「ふぅん…なら外に出れば?」

「もっと寒いわ!」


ていうかなんでしれっと僕の部屋にいるんだ。
そのうちいないと物足りない気分になってしまうのかもしれない。戯言だけどね。

「うぅぅぅう…いーたんが冷たい…」

「冬だからね」

「俺寂しいよいーたん」

「で?」

「ぜろりんは寂しいと死んじゃいますのん」

「うざっ!!」

ちなみに僕は毛布にくるまってるので寒くないといったら嘘になるが、そこまで寒くはない。
零崎は隣で体育座りになって震えている。ちょっとおもしろい。

「いーたんだけ毛布ずるい!俺にもよこせ!」

「嫌だよ、野郎2人が一枚の毛布に入るなんて寒すぎる。色んな意味で」

「いーたん、今のは傷ついた」

「………ごめん」

「お詫びにちゅーさせろ!」

「一昨日来な」

「いーたんちゅっちゅっ」
「帰れ」

「…………」

ショボンと仔犬みたいに項垂れた零崎が本気で可哀想になってきたので、僕は毛布の端を掴んで広げて見せた。

「ほら」

「それは罠か?いーたん」
「違う、カマーンという意だ」

「まじか!!」

うわぁいと今時子供さえ言わないであろうことを口走りながら零崎は毛布の中に入ってき…あれ?
なんか
なんか


近くないか?

「………ぜろざ」

「んー」

急いで言おうとした制止の言葉は零崎の口に飲み込まれていった。

そしてそのまま口の中に零崎の舌が入ってきたかと思うと僕の舌に絡み付いてくる。
ていうかディープかよ!ソフトにするんじゃないのかよ!
しばらく零崎の舌で口内を犯された後、やっと僕の口は解放された。
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