ペルソナ4

□懺悔
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都会にいたころから、男遊びは激しかった。いや、俺も男なんだけど。
だけどなんか、金稼げるならそれでいっかな・・・みたいな軽いノリで。桂木は俺のことを心配して、「もうやめろ」って何回も諭してくれたけど、それもどこまで心配してくれてんのか俺には分かんねぇ。
なんかこういう生活の方が楽だった。

 愛されたい、

誰か・・・・・・、


 息ができないくらいに教室に入るのが辛かったあの時期に、お前に出会っていたのなら俺は何か、変わっていたのだろうか・・・?




「陽介」
 変わらないその笑顔に俺は安心する。
俺もいつもどうりの視線を向けて、へらりと微笑む。
「あいぼーったら、里中や天城をたらしこんじゃって。」
「そう?俺はそんな気ないんだけどな」
爽やかな口調でまったく気にしていない様子の悠に、俺は幻覚を見ているようだった。

(まるで、昔の、俺みたいな・・・・・・・)

 いや、俺と悠を同じように見ちゃだめだ。俺の方がずっと、ずっと汚い。
「悠、俺はお前の恋愛にどうこう口出しはできねぇけど、忠告する。やめろよそういうの。本当に好きな奴とそういうことしろ」
「どこまで、心配してくれてんの?」
「え・・・・・」
これじゃ、まるで本当に・・・・・・

「苦しいんだよ、本当に好きな人はこの手に入らないって知ってるから。それならこうやって遊んだほうが楽」
「好きな人・・・?」
「うん」
 俺は悠のことが好きだから男遊びを止めた。本気で頑張ろうって、そう思えるきっかけを作ってくれた大切な人。その大切な人が好きな人ができたことは、喜ばしいことだ。
なのに
なのに俺は、今ものすごく辛い・・・その好きな人が俺じゃないって、知ってるから。

「悠」
「何?」
「善言撤回っ、俺もやっぱだめだ・・・・。やっと戻れたと思ったのにな、こんなちっちゃなことで決壊してしまうとか、俺も、超よえー・・・」
「は・・?」

 ぽかんとしている悠を横目に、俺は教室を出た。そのときの俺の顔は、泣いているのか笑っているのか分かんない顔だったと思う。


あの時の様に、息が・・・・できない。
助けて、だれか・・・・・
















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