長い夢

□8 サンヨー
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脚、足もつれるから。

もうやめて!やめたげてよぉ!

手、痛いから!握りしめすぎだから!
照れ隠しなの?こんな痛い照れ隠ししなくていいよ…。


もう限界……



ズシャアァ…



レ「名無しさん!?名無しさんしっかり!」




―――――


「…ッ!」


消毒液染みるわぁ…

なんか手がほんのり赤かったのがちょっと紫になって痛いし…
どんな握力だよ!


レ「名無しさんごめん…楽しくて、つい…ほんとごめん!!許して…」


けれど、さっきからこんちくしょうはこの調子でして…




許すほか無いけど…。

「許し…」

レ「ゆ、許してくれないんですか!?名無しさんの鬼畜!鬼!ウパー馬鹿!!金泥棒!!金返せ!」

そんな、必死で笑いこらえて言うこと!?


ぜってーピカチュウ馬鹿はこの年で
あんな大胆な地面キッスを決めたあのシーンを思い出して笑ってるに違いない!!


「なんとでもいいなさいよ!!こちとら帰るまで、無様すぎて恥ずかしさで死にそうだったんだよ!」



レ「た…フッしか、にぶ  ざま っすぎだった  かわいかったよ!」

笑いすぎてヒィヒィしてる。

「そんな笑われてかわいい言われても嬉しくないわ!ピカチュウ馬鹿、ポケモンオタク、バトル狂!ピカチュウは俺の嫁とか言ってたくせに!きもいわ!」


レ「なにそれ、ほめ言葉にしかならないよ俺には。」




「ちくしょー!!」





ジョーイ「お二人とも。ポケモンセンター内での大声やケンカはやめてください。
外でやりやがれや!ゴルァ!!


レ「…。」


「…はい。」


ジョ「わかればよろし。
お二人とも、これからは気をつけてくださいね。」






「ジョーイサンのが一番うるさかったよね」

レ「たしかに…でもそこは突っ込んじゃ駄目じゃない?」


ジョ「どうされましたか?」




「「いいえ、なんでもありません!!」」




ジョ「あ!お二人のポケモン、元気になってるんでカウンターまで引き取りにきてくださいね」


――――――――――――――――――
ジョーイさんは怖い。

ここ重要ね。テストでるから。


いや、怒らせたあたしらが悪いんだけどさ
――――――――――――――――――


レ「大体、おぶって行ってあげたの俺だからね。てか名無しさん軽すぎでしょ?もっと食べなよ。」

「いや…太るんで…遠慮しとく…。」

レ「それ以前に体力つかないからダメ!」


そういって、コロッケを刺したフォークが口元に近づいてきている。
世間で言う、アーンって奴なんだろうけどレッドさん黒い笑みしてるし、嫌な予感しかしない…
とりあえず、手で口を覆い隠す。


レ「なにしてるんだよ〜せっかく、あーんしてあげるのに。」


「え、遠慮しときます。」




そんなの関係ない。とばかりに口から手を引き剥がして口にあっついコロッケを突っ込まれた。


「あっふ!!あつっ!ふぐっ、あっつ!」


だ、誰か助けて〜!

キャサリンはご飯に夢中、ピチューは哀れんだ目でこっちを見ている。





あぁ…今日はさんざんな日だった。



レ「ごめん。ちょっとしたいたずら心ってやつで…ね?」
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