ポケットモンスター
□バレンタイン
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次はノボリ編
まず、ノボリ。
びくっ!
ドアから姿を現したのは…
「なまえ〜、まだ〜?」
び、びっくりしたぁ…!
「ちょ、まだキッチンに入ってきちゃ駄目だって!ノボリの気を引いといて!」
「あ!そうだったね!!ごめーん。じゃ、引き続きヨロシク。」
「お気楽なんだから。作るの大変なんだからね!もう!」
あたしが言い終わるころにはクダリは姿を消していた。
「愚痴を言ってもしょうがないし、作業に戻ろう。」
今日は遅くなったけれどノボリにいつもお世話になってますチョコ…長いな。シェイミチョコ…ごろ悪い…。うーん…まぁそんな感じのチョコを作ってあげてる真っ最中!しかもサプライズで作ってるからクダリにも協力してもらいました!え?あたし達三人の関係?幼馴染だよ。クダリとは悪友に近いかもね。
「やったぁ!やっと完成!」
部屋から二人の話し声が聞こえなくなって静かになっていた。
「あれ?ノボリだけ?…クダリは?」
ぽつーんと広い部屋に座っているノボリ。わりと滑稽な景色だ。
「!?…く、クダリは、さっき用事を思い出してどこかへ行きましたまし!」
「(いきましたまし?…なんでこんなきょどっているのだろう。)今日ね、あたしノボリのために…じゃーん!感謝の気持ちを込めてガトーショコラを作ってみました!」
「…か感謝だなんて、私の方こそなまえに感謝しても仕切れないほどですのに…ありがとうございます。」
「結構自信作なんだ!食べてみてよ!」
「…そうですね、いただきます。」
「あ゛ー!ちょっと待って!あーんってしたい!」
ノボリから切ろうとしていたナイフをもらって切り分ける。
1ピースを皿にのせて…カップに紅茶をそそいで…っと!
「お待たせしましたっ!はい、あーーん。」
「あ、あーん?」
むごんで食べている…
「あ、味はどうでしょうか…。」
「とても甘くて…」
「(がーん。)」
「おいしゅうございます。」
や、やったー!
「へへ、嬉しいなー。」
「親愛なるなまえの作ったお菓子なのですから、おいしいに決まってます。」
「やだなー!冗談よしてよ、親愛なんて〜。」
ずずいっとノボリが隣に迫ってきた。
「いいえ、冗談ではございませんよ?」
いきなり手をとって何をするのかと思ったら、手の甲にキスを一つ落とされた。
え、映画のワンシーンですか?
「愛していますよ?」
fin