ポケットモンスター

□俺のために毎朝味噌汁を作ってくれ!
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ノボリさんのターン!(おとなしい奥様)

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開放的な大きな窓から控えめな朝日が流れ込みとても心地が良い。

さっきまでもう少し寝ていたかったけれどそんな気持ちはどこかへ飛んでいったようです。

あら?


「もうこんな時間じゃない!起こして差し上げなければ。」


ゆっくりとドアを開け、様子を見てみる。やっぱり、まだ寝ておられるようですね。



「ノボリ様、起きてください。」


そっと、がっちりとしたたくましい肩を揺らす。


ゆっくりとまだうつろな瞳を開けたのが分かりました。グレーの鏡に私が映し出されています。

しかし、長いまつげではっきりと確認ができません。

ノボリ様は男性ですのにとても美しい方で動作一つ一つに色気があるのです。私の心臓はそのたびにうるさくて息がつまってしまいそうになります。
このことを恋だと教えてくださったのもあなた様でした。箱入り娘の私を…。

「おはようございます。きゃっ///」


いきなり伸びてきた腕に捕まえられてノボリ様の上に私が乗ってしまう。
そのまま抱きすくめられてしまいました。あぁ、お味噌汁が冷めてしまいます。


「おはようございますなまえ、どうなさいましたか?」

耳元で低く男性らしい声が響いてくらくら。いじわる、わかっていらっしゃるのに。


しょうがないですね、負けましたわ。

体制を変えて横になり向き合って大きな背中に手を回した。シーツのこすれる音が耳の中を駆ける。


「珍しいこともあるのですね。」

控えめに微笑み、くすくすと私の体も共鳴しているよう。



「まったくこれから共に生活を送っていくというのに、それでは持ちませんよ?」


「ノボリ様がいけないのです。いきなり引き込むなんて…。」

「これくらい、慣れていただかないと困ります。もっとあなた様を愛していたいのです。」

駄目ですか?


そんなことを言われては、もう折れるしかないではありませんか。

もう、朝食のことはあきらめます。


「いつもこれはやめてくださいよ?」

「どうしましょうかね?」

「いじわるですね。」



「貴方様だからこそこんなことができるのですよ?」




ノボリ様と過ごす時間は甘くて、くすぐったくて懐かしいのです。どうしてなのでしょうか?




「私、幸せ者です。」


「なにを、おっしゃっているのですか、私こそ幸せ者です。…いいえ、私が幸せにして差し上げる番ですかね?」










まどろんでいるなか、聴こえるはずの無い明日の祝福の鐘の音が聞こえた気がいたしました。

きっとすばらしい日になることでしょう。




そうだ、「「誓わなくても永遠の愛を感じる」」なんてロマンチックすぎていえませんよ。
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