ポケットモンスター
□俺のために毎朝味噌汁を作ってくれ!
2ページ/4ページ
まずは、HGSSのレッドさんをイメージしたレッドさんです。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
眠いけど、眠れないや…。て、AM3時…。
そっと、窓を開けてみる。
「あんた何してんですか…」
そこにはリザードンに乗って今にも窓から入ってきそうなレッドの姿があった。
「ちょうどいい!今開けようとしてたんだ。ちょっときて欲しくて…。」
どうやって開けようとしたのか詳しく聞きたいのだが…(笑)まったく。
そういって、暖かい格好をさせられリザードンにまたがる。
レッドとは付き合って4年近くなる。しかし、いきなりこういうわけの分からないことを言い出すのはずっと変わってない。それに神出鬼没。
「うぅさむ…」
家がどんどん小さくなっていき曇り空と違って、地上はまるで家々の光が星が輝いているように見える。
「…僕は暖かいけどね。」
そういって、あたしの肩にあごを乗せてくる。ニャースかお前は。
「ところで…どこいくの?」
「秘密。」
なぜに、今日はそんなヒステリックなんだ…。
―――――――――――――――――――
いつの間にか、朝日がほんのりと照らすようになっていた。
あれ…?ここは…?
「さ、ついたよ…」
「さっぶ……」
「さっきからそればっかり」
あきれたように笑う君も鼻が真っ赤ですけどね。手を引かれ、雪の積もった山の頂へ登っていく。
「ねぇ、どうしてシロガネ山なんかに…?」
「秘密だよ。」
またそれですか…。
たわいのない話をして歩いた。でも、切り出される話は昔の思い出ばかりだった気が…。
やっと頂に登りつめれば朝日が雪を照らしていた。
辺りは雪が音を吸い取ってしまうのか
しん…と静まり返っており何も聴こえない。真っ赤な太陽の昇る音が聞こえそうなほど。
まるでレッドと初めて会った時のようだった。静まり返った山頂で無言でたたずむ真っ赤な君。あのときは殺されるかと思った(笑)
しかし、その時とはまったく違って柔らかに
「今日はね…”吹雪かない”日なんだ。ダイヤモンドダストって言ってね。どうしても今日君に見せたかったんだ。」
というもんだ。月日の流れを感じる。
「珍しいこともあるんだね。」
きらきらと積もる空のかけら。とてもまぶしくてまぶしくて見つめられない。
あたりが宝石のかけらに囲まれていく。
―――なまえ
静かに呼ばれた気がした。
「愛してるよ」
え?良く聞こえない…?
「ずっと僕のそばにいて欲しいんだ。君のそばに居なかった僕がいえることじゃないし、無茶だと分かってる。」
こんなにも静かだというのにどうも上手く聴き取れない。切ない顔したあなたの顔だけわかる。
しかたなく真正面まで行くと不意に抱きしめられた。じんわりとぬるい体温が伝わってくる。
「あったかい…ね。」
「…でしょ。」
変わることのない風景の中まるで時間が止まってるみたいだ。
しばらくそのままの状態だったが不意に引き剥がされ、さっきまであった熱が風で一瞬にして奪われた。
「君を悲しませるぐらいならこの関係を終わらせてしまったほうがいいと思って。」
まっすぐの瞳に射られる。
今の言動で心がぐらりと揺れた。同時に左手の手袋を取られて薬指に白金の輪をはめられる。
さっきの勘違いで涙があふれそうになるのをこらえたけど君の一言でとうとう止まらなくなってしまった。
冷たい唇の感触が頬に触れた。
―――結婚しよう