ガラクタ





ほんとにほんとのSS
思いついたままに。

鬱/グロ/卑猥
放置しておりますのでご注意ください。


◆no title のこる

パチン

目の前に飛んでくるシャボン玉を指でつつく。
波紋入りなのかシャボン玉は消えることはなく、まだふよふよと私の周りを飛んでいる。
シャボン玉を飛ばしている張本人はそんな私のことを気にもとめていないようで、ひたすら波紋入りシャボン玉を飛ばしまくっている、きっとリサリサ先生に言われた修行の一貫なのかもしれない。

それを横目に、私はまた飛んできたシャボン玉をつつく。
そして溜め息。

自分の分の修行は終わってしまっていて正直暇なのだ。
かといってシーザーの修行の邪魔はしたくない、けど近くにいたい。
相手にとっては迷惑かもしれないし、かなりやりにくい状況での修行かもしれない。
私だったら自分が修行しているのに終わった人がまだ居座ってたら気に障るもの。

だけど恋は盲目とはいったものだ。
どんな朱鷺でもシーザーの近くにいたいという自分の身勝手な恋心が今は勝っているのである。

たくさんのシャボン玉に囲まれて、その暖かな波紋に触れているだけでシーザーがいつもより近く感じられて嬉しいんだ。



「もう終わったのか?先に帰って休んでろよ」

「うーん、もうちょっとシャボン玉見てから」



そうやってわざわざ声をかけてくれるところも好き。
ナンパ野郎で、だけど人一倍優しくて、そんなシーザーを独り占めできるこの修行の時間がいつまでも続けばいいのにと思わずにはいられない。





______________

お試しで書いてみたもの。
シーザー一言しか喋ってないけど迷子感がいなめないorz
シーザー好き過ぎて迷子!

2013/11/10(Sun) 09:27 

◆夏終わり のこる

「夏らしいこと、全くしなかった」

夏休みが終わり、学校生活が戻ってきた今……ふと私は夏休みに夏らしいことを全くしていなかったことを思い出した。
みんなはバーベキューしただの、花火大会に行っただの楽しそうに話してこんがりと焼けていたが、私の体は真っ白だ。
外に出ていない証拠でもある。
だって焼けるじゃん?
家の中にいたって紫外線は容赦なく入ってくるのに、外になんか出たら……想像しただけで恐ろしい。
何度か誘われたりもしたが丁寧にお断りした。
何が楽しくて花火大会なんぞ行くんだ、人混みのムシムシしてる中に自ら飛び込んでいくなんて。

それに花火大会は、彼氏が出来たら行くと決めている。
まぁ、花火大会に出来なかったわけだけど。

「えぇー勿体ない!イベントてんこ盛りだった夏にあそばなかったなんて!」

心底詰まらなそうに私の夏の思い出を聞いていた立夏くんが耳元で大きな声を出す、うるさい、そんなデカい声で言わなくても聞こえてる。


「うーん、なんかそれって寂しくない?」

「大きなお世話ですぅー、別に寂しくないし、バイトもしてたから結構お金貯まったし!冬はどこか遊びに行く予定でいるからいいの!」

「でもさ、誘われなかった訳じゃないでしょ?花火大会ぐらい行っとけばよかったじゃん」

「花火大会はカップル多いでしょ?私は彼氏が出来たら行くって決めてるから出来るまで行きませんー」

「じゃあ、来年は行けるね!」

「は?来年ってそこまでに彼氏いなきゃ行けないでしょ」

「だーかーらー!僕と付き合えば問題ないでしょ!」

「まぁそうだけど……?え?なにそれ」

「僕さ、君のこと会った時からずーっと好きで、今年の花火大会で告白するつもりだったんだよ?でも誘った人みーんな断られてたからさ、今年の花火、一緒に見たかったのに」


話の流れでナチュラルに告白されたんですけど!?
いや、えっと、そんなムスッとした顔で見られても。


「で、来年は僕と一緒に花火、見てくれるんだよね?」


ニッコリと笑う立夏くん、ほんと憎たらしい。
返事に絶対的な自信を持っているのも癪に障る。

でも断る理由なんてどこにも見当たらない。
私も一目惚れで、ずーっと好きだったから。
まさかこんなタイミングで露呈されることになるなんて思ってもなかったけど。




「来年、浴衣着て見ようね。花火」




――――――――――――――
どこも行かなかったのは私です。
イベントしか行ってないwww
来年は、多分ディズニーに通い詰めて焼けるんだろうなぁ(遠い目

2013/09/26(Thu) 01:41 

◆君の運命になりたかった 慶次 のこる

「私は慶次を殺さなければいけない」

久々に目の前に現れた君からの衝撃的な一言は、俺の呼吸を停止させた。
上杉領に遊びに来るがてら、謙信と飲み比べでもしようと思っていたのだが、これはそうも言っていられない状況だ。

「……ははっ、冗談きついぜ」

「冗談なんかじゃない」

間髪入れずに返される返事、そして真剣な眼差し。

「参ったねぇ、俺的には穏便にすませたいんだけどなぁ。アンタにその気はないと見た」

「毛利様の為に、死んでくれ慶次」

抜かれる忍刀が鈍く光る。
すんでのところで避けると、顔には一筋の赤い線がはいっていた。


「今、加減したろ。迷ってるんじゃないか?」

「………迷ってなどいない」

「俺はアンタと殺り合う気はない。まぁ死にたくはないから逃げはするけどな」

「私はお前を殺すぞ?毛利様の命があるかぎり、逃げても逃げても追いかけて、必ず仕留める」

「熱烈だねぇ、そんなことされたら益々アンタに惚れそうだよ」

「うるさい、さっさと死ね」

「おっ、と!今のは危なかった今のは!」


少しだけ、君が笑ってくれた気がした。
なぁ、俺を殺した時にアンタは何を思うんだい?
達成感?それとも無虚感?
ほんの少しでもいい、アンタの中に俺という存在が残せるのなら死ぬのも悪くない。
俺という存在がアンタに根をはりつづけるならば、この身を捧げようじゃないか。


アンタが俺色に染まればいいのに。

2013/08/10(Sat) 01:21 

◆no title のこる

私は自分の持ちうる全てを使いあの人のもとへ走っている。
急げ急げと気持ちだけが先に進んでいつもは難なく越えられる岩に右足を強打してしまった。
だけど止まるわけにはいかない。



##NAME1##……##NAME1##………どこにいるの?



ほら、泣いている。
何も言わずに任務へついてしまったから、私がお市様を置いて何処かへ行ってしまったと思っているに違いない。
通いなれた道を全速力で駆け抜ける。
いくら怪我を負っているとは言え忍の端くれだ。
いつもの半分も力を出しきれていないにしても、そろそろ城が見えてきても可笑しくない、それぐらいの早さで走っているはずなのに、私の目の前には暗い森が続いている。

何故着かない

何故私の右足は痛みを感じない

ずっと同じ景色、私は同じ場所をぐるぐる回っているような気がしてならなかった。
そんなはずない、この森をぬければきっと、










「佐助………」

「なんだい大将」

「もう、もう殺してやってくれ………」


俺の目の前では右足を無くしても、なお大将に立ち向かうくの一の姿があった。
もう痛覚も麻痺してしまっているのか地面の砂利が肉に刺さっているのもわからないらしい。
目は大将を写しているのかもわからないほど濁りきり、元々白かった肌は一層白く、そして紅く。

何かの間違いが起きてしまわぬよう、俺が間に入っているが後は時間の問題だ。



「楽にしてやってくれ」



なんでうちの大将はこんなに優しいのだろう。
敵なんだ、そのままにしておけばのたれ死ぬ、それで御仕舞い。



「暗い、森……帰らなきゃ、はや、く、私が……」



譫言のように呟く言葉を理解することは出来ない。



「じゃあ、殺っちゃうよ」

「頼む……、すまない佐助」

「大将が気にすることじゃないって、忍の最後なんてこんなもんなんだからさ」



俺の握ったくないがくの一の心臓を貫く。
くの一は一瞬目を見開いて、そしてドサリとその場に倒れた。
先程までの苦しそうな表情はなく、うっすらと笑みを浮かべている。














先程まで森を走っていたはずなのに、気がつけば城の前にぽつりと立っていた。
待っていたかのように門が開き、中から会いたくてたまらなかった姿がぼやっと見える。



「##NAME1##!こっちよ」

「お市様っ!、遅くなり申し訳ございませんっ」

「いいの、兄様も蘭丸も、みんな待ってるわ、早く」

「はいっ!」


私の手を優しく包むお市様に導かれ、門を潜る。


「これで##NAME1##とずーっと一緒」


フフッと妖艶に笑うお市様を見て、私も「そうですね」と笑った。






――――――――――――――
主人公は半分あの世に片足突っ込んでます。
幻覚、幻聴なんでもござれ。
織田軍が落とされたのを知らずに武田軍に突撃してた主人公というなんとも無茶苦茶な設定でしたが、書いててとても楽しかった!

2013/06/07(Fri) 02:21 

◆Twitterで見かけたの/タクミ(男主人公) のこる

※下品警報



「あのさ、これなんだけど……」

僕はさっき見ていたTwitterの画面をタクミくんに見せた。
純粋にこんなものあるんだー世の中って不思議!って意味で見せたんだけど、タクミは画面を凝視している、瞬きひとつしないで。

そりゃー僕が「尻尾型バイブ」なんてページを見せてるからだと思うんだけどさ間違いなく!

さっきも言ったけど、ただ純粋にすげぇと思ってノリで見せただけなんだよ、だからこの空気が怖くて仕方ない。


「あのー……タクミくん、これさ凄くない?」

「まさか君からこんな物見せてくるなんてびっくりなんだけど?」

「ごめっ、えーとその、ただ世の中って凄いなって思っただけなんだ!だから別に使いたいとかそういうのじゃないからね!?そこ勘違いしないでね!?」

「でもこれ着けてるキミ、見たいんだけどなぁ〜。猫耳と肉きゅう手袋も買ってコスプレしながらとか結構燃えると思うんだけど」

「むむむ無理無理無理!なんか駄目な気がする!」

「大丈夫でしょ、まずこれを俺に見せたことが間違いだったよねぇ、残念」

「ああああー見せなければよかった、うわぁ……死にたい、恥ずかしさで死んでしまう」

「俺しか見ないし、いいでしょ?」



赤い舌がチラチラ見えて、それだけで体が震える。
もしかしたらこの展開を僕はちょっと期待していたのかもしれない。


――――――――――――――

いや、実体験なんですよ!
勿論Twitterで見かけたところまでですよ?
同人誌とかでよくあるネタが、まさか現実世界でも!?と思った瞬間でした。
誰得なのあれ……

2013/04/18(Thu) 16:53 

◆やってみたかった のこる

目の前には大量のお握り。
そして睨み合う僕と十代。


「最初に自分の好きな具を引いた方が勝ちね」

「よっしゃ!負けねーぞ!」

「んじゃ僕のターン!……むぐっ………、残念、こんぶだ」

「おーっし、俺のターンだ!もぐっ………もぐっ……………」

「ちょっと十代!いつまで食べてるんだよ」

「うげぇ……誰だよー具なしでマヨネーズだけ入れたの!」

「あは、僕が作ったやつだ」

「俺マヨラーじゃないから辛いぞこれ、口の中気持ち悪いぃ」

「変わり種入ってるから注意してね」

「言うのおせーよ!食っちまったじゃんかー」

「ぶーぶー言わない!僕のターン!もぐっ……………」

「………で、どうなんだ」

「………………シャケ、召喚っ!やったやった!シャケ召喚したぁぁぁあ!」

「っあ〜やられた、俺一発で当てる自信あったのになー」

「残念だったね十代!ガッチャ、楽しいおにぎりデュエルだったぜ!」



_______________

シャケ召喚って言葉を使いたかっただけです。
シャケおにぎりは美味しい!

2012/12/07(Fri) 23:17 

◆私の彼氏はヤンデレです2 音也 のこる

「ねぇ、何で電話出てくれないの?」

真っ暗な部屋で、テレビの音だけが微かに聞こえる。
私のお気に入りのソファーに腰かけて、笑顔で音也が尋ねてきた。
正直、びびったよね。
テレビの光に照らされた顔はとてつもなく不気味だった。

「だってあたしちゃんと言ったよね?友ちゃんと遊びに行くって。遊んでる最中なんだから出れないこともあるってわかんないかなー、まぁかけ直さなかった私も悪いんだけど……」

帰り際、携帯を確認すると「着信156件」「メール240件」の文字。
ひきつった顔で友ちゃんに別れを告げて、重い足取りで帰宅したら案の定こんな空気だ。
本来なら楽しかったーってお気に入りのベッドにダイブするところなのに、一歩も動けない状況にため息ひとつもつきたくなる。

「あの、俺さ、別に攻めてるわけじゃないんだ。もしものことがあったら大変だし、心配するし、まめに連絡してほしいなって。怒ってるんだったら謝るから、ごめんね」

「いや、私こそごめんね。ちょっと夢中になって話してたから……」

「いや、君は悪くないんだ。俺がこんなんだから悪いんだよ、好きで好きで、俺から一歩離れると心配で、いっそのことこの部屋に閉じ込めてしまえば楽になれるのに」

「え、閉じ込めって、それ監禁したいってこと!?無理無理無理無理!いや、音也の事好きだよ?大好きなんだけど、そんなことされたら私……、音也の事だいっきらいになる、から」

こわー、この子の考えてること怖すぎて冷や汗が止まらないよ。
監禁とか正気の沙汰じゃないでしょうよ!
私のことをそんなに愛してくれてるのはありがたいんだけど、ベクトルが違うって言うかなんというか……

私からかの「嫌いになるよ発言」を聞いた瞬間、「それは嫌ー!もう言わないから嫌いにならないでよー」って駆け寄って抱きしめる音也を見てると、さっきのは一体何だったんだろうって思っちゃう。
濁った魚見たいな目はいつも通りのキラキラした眼に戻ってるし、泣いてるし。
全く、調子狂っちゃうよね。
私よりも背が高い音也の頭を撫でてやると、ふえぇ〜とまた泣き出すから困ったものだ。

「はいはいごめんね、嫌いになったりしないから。監禁とか馬鹿みたいな事本気でしようもんなら大嫌い通り越した大嫌いになるけど」

「しないっ!嫌がることはしない!」

携帯の件は、確かに嫌なんだけど私を想っていってくれてるんなら。
ちょっと我慢すればいいことだし。
まだ耳元で泣いている音也をなんとか宥めて、部屋の電気をつけてソファーに雪崩れ込む。
音也は空いているスペースにちょこんと座る、ちょっと可愛い。
体勢をととのえて、音也の膝枕を勝手に拝借。
頭を撫でられると、一気に1日の疲れがでたかのように眠気が襲ってくる。

「私、寝ちゃうかも」

「化粧は落とした方がいいよ、あとパジャマにも着替えた方が……」

「うー、多分ふくだけでオッケーな化粧落としあったはずだから、音也よろしく。あとパジャマもよろしく」

「化粧落としはやってあげるけど、服は流石に……ってもう寝てるし!」

2012/11/27(Tue) 00:05 

◆私の彼氏はヤンデレです1 音也 のこる

「携帯鳴ってるよ?電話じゃないの?」

今日は友ちゃんと遊びにいってくると再三言ってきたはずなのに。
私は盛大に溜め息をついて、携帯のディスプレイを見た。

゛音也 ゛

今はこの文字が憎たらしくてしょうがない。
一向に鳴り止まない携帯に、イライラが募りそのまま鞄に突っ込んで放置することに決めた。

「だ、大丈夫?あれだったら別に電話出てもよかったのに」

「いいのいいの!折角遊んでるのに時間勿体ないじゃん」

私が遊びに幾度にこの調子だ。
付き合う前はこんなそぶり見せたことなくて、いつも笑顔で可愛い大型犬って感じだったのに、付き合ってからは酷い有り様だった。
メールは四六時中、朝から晩までくるし、おはようおやすみコールも欠かさない。
お互い休みが被れば必ず一緒に出掛けなければならない。
こんなに縛られる生活が待っていようとは想像も出来なかったのですよ。
一緒に出掛けるっていうのは、まぁ恋人同士だし、私だってデートしたい欲はある。
音也はアイドルで、私はしがない作曲家……予定が合わないから貴重な休みを一緒に共有するっていうのもわかるんだけど、比較的予定を合わせやすい私が合わせなきゃいけないのも正直めんどくさかったりするわけで。
だってその日に友達と約束してても、空気読んで変えなくちゃいけないのってほんとに辛い。

鞄から着信音が漏れてくる。
いっそのことマナーモードに切り替えようかな。

「あんたも大変だよね〜ほんと」

「まぁね、これさえなければいい彼氏なんだけどさ」

「きっと今ごろ真っ青だよ、何か想像出来るわ」

「でもさ、最近もっとおかしくなってきちゃって」

「おかしくなってきたって?」

「いや、音也が知らないような私の個人情報を知ってるというか……昨日は飲み会だったの?とか言ってない話されて困るときがあるんだよ、その飲み会に行くって伝えてないのに、だよ?」

「うわっ、きっつーなにそれ。誰か情報提供してるとか?考えすぎかもしれないけど、探偵雇ってたり、もしかしたら盗聴されてたりして……」

「まっさかー!いくら音也でもそこまでは」

「わかんないよ、それぐらいしちゃうかも。気を付けなよ」

「あはは、うん、そうだね、気を付ける」

友ちゃんの言葉が胸に突き刺さる。
まさか、そんなこと……
でも音也ならやりかねないかもしれないと思ってしまう自分が嫌だった。
確かにちょっと歪んでるかもしれないけど、彼は私のことを一途に愛してくれてるんだと思いたかった。

2012/11/25(Sun) 01:01 

◆こどくのふたり のこる

愛してると囁けば、大嫌いと囁き返される。
寂しいと言えば、あっちへ行けと言われる。
私がこんなに思っているのを知ってるくせに、そんな冷たい態度をとるくらいなら突き放してくれた方が楽になれるのに、彼はそれをしてくれない。
必ずアクションしてくれる。
それが嬉しくて、どれだけ辛いか、きっと知っててやってるんだろう。
性格悪すぎ。
だけど大好き。

「こんなに好きなんだけどなー、なんで駄目なんだろ」

「まぁ、タクミだし。気分屋なんじゃねーの?」

「伝わらない、もどかしいー辛いー」

「諦めろって、お前にはきっと他のやつがいいんだよ」

「例えば?」

恭介がモゴモゴなにか言っているが、あまり興味がないのでスルーする。
それよりも頭の中はタクミくんで一杯一杯なんだ。

「でもさ、ぶっちゃけ付き合えなくてもいいんだよね」

「はぁ……なんだよそれ」

「このタクミくんで一杯一杯!とかタクミくんにかまってもらった!って言うのが楽しいわけで、付き合えなくてもいいのかもしれない……矛盾してるし自分でもよくわかんないや、ごめん」

「女ってわかんねぇな」

女である私もわからないし、全部の女の子がそうであるとも限らない。
ようするに片想い期間が楽しいんだろう、多分。
付き合ってしまえばそこで終了!って思っちゃってる部分があるのかもしれない。
そして付き合うという行為が未知過ぎて怖いと思っているのかも。
だから気軽な感じで愛してるって言えちゃうんだろうな。

私は臆病なんだ。
だから肝心の告白が出来ない。
これから先もずっと軽いノリで重い言葉を囁き続ける。


――――――――――――――

タクミも主人公と似たり寄ったりな考え方。

2012/10/10(Wed) 13:55 

◆青春が少しだけ足りない/阿良々木暦 のこる

※名前は由奈で固定




まぁ、あれだ、別に僕は休みの度に暇なわけではない。
たまたま今日という休みが暇だったというだけだ。
決して暇すぎてツーリングしているわけでない、決して!

誰も聞いていない盛大な独り言を頭の中で呟きながら軽快にペダルをこぐ。
夏から秋に変わった景色を横目に見て、宛もなくさ迷う高校生。
休みぐらい彼女の一人もいたらデートとかして楽しく過ごすだろうよ、秋の風がなんだか冷たく感じる。
ぼーっとただ足を動かす作業に集中しようとしていたら、前方に手を振る人物を発見。
急ブレーキをかけて止まると、手を降っていた人物は然も当たり前かのように2ケツをしようとしてきた。

「とりあえず降りてくれ、僕は今優雅に一人ツーリング中だ」

「ぼーっとしてたくせにそんなこと言っちゃうんだ、いいじゃないちょっとそこまで」

「よくない!」

「あら、けちくさい。そんな男はモテないよ」

「余計なお世話だ、ったく目的地ついたら降りろよ」

「あらららぎくん優しい!よっ、日本一!」

「あらららぎじゃない、あららぎだ!」

同じクラスの由奈とは何だかんだの腐れ縁ってやつだ。
家も近いし、幼なじみって言ってもいいかもしれない。
毎日顔をあわせてるようなものだし、もう妹達のようなノリで接している。
それが気に食わないようでたまに喧嘩になったりもするが、いい友達だと思っている。


「あーあっついよ暦ちゃん」

「っ!暦ちゃん言うな!」

「あらららぎくんも駄目で、暦ちゃんも駄目なら何て呼べばいいのよ」

「………暦お兄ちゃん」

「……………………」

沈黙が痛すぎる、四方八方から氷柱が刺さってるかのごとく痛すぎる。

「すまん、悪ふざけが過ぎた」

「ほんとに呼ぶよ?暦お兄ちゃん」

「ああああ!僕が悪かったですすいませんでした」

さっきまで心地よかった風が今では暑く感じる。
人一人分重くなっているのだから、その分こぐ力も入っているから運動量も多くなる。
しかしその暑さとは別の暑さを感じる。
2ケツしている分、いつもより由奈との距離が近い。
近いってもんじゃない、密着しているという表現の仕方の方が合っている。
背中には柔らかいものが常に当たっているし、腰に巻き付いている手が更に僕の熱を上げているのは明白だ。
いつの間にこんなでかくなったんだこいつ。
いや、最後に触ったのが小学生の時でって


「何を考えてるんだ僕は!」

「うっ、いきなり大きな声出さないでよ!びっくりして落ちちゃうかと思ったじゃない!」

「あ、悪い、盛大な独り言だ」


いかんいかんいかん!
幼なじみ相手に何を考えてるんだほんとに。

「ねぇ、暦ちゃん」

「ん?」

「背中、大きくなったね。こんなに大きかったっけ、なんて染々思っちゃったよ」

「そりゃ昔に比べればな」

「私もね、昔に比べれて大きくなったんだよ、胸」

神読なのか、こいつは神かなにかなのか!?
いや、さっきの言葉は口には出してなかったはず。
って焦ってる間にも背中に押し付けられる柔らかいものの刺激が強すぎて、悲しくも童貞は前屈みにならざるおえない。

「あ!暦ちゃんストップ!」

「ぬあっ!いきなり止まれるか!」

背中の柔らかみが離れる。
何だか名残惜しく感じる僕は正常な男子だ、うん。

「ありがとう、目的地まで送ってくれて」

「別に送ったわけじゃないけどな」

「いいじゃない、サービスたっぷりだったでしょ?」

「お前、気づいててやってたな……」

「なんのことだかわかんなーい」

「はいはい、わかったから行った行った」

「言われなくたって行きますよーだ」

怒りたくなる気持ちもあるが、由奈の楽しそうな顔を見ているとまぁいいかと思ってしまう自分もいるわけで。

「あ、忘れてた!」

「次はなんなんだ」



「2ケツの席、私専用だから他の女の子乗せたら許さないからね」

「は?なんだそれ、どういう」

「2ケツの席は彼女専用って相場が決まってるでしょ?これなら鈍感な暦お兄ちゃんでもわかるかな?」


そこまで行って由奈はスタスタと図書館の方へ歩いていってしまった。
その場には口をパクパクさせた金魚のような僕と、季節外れの蝉が取り残されていた。


―――――――――――――――

ヘタレなありゃりゃぎくん、好きだなー
こういうヘタレキャラがやる時やっちゃう瞬間が好きだ。
しかし化物語は駿河が一番なんだけどな!
さやかについで周りに驚愕されるんだが、かんばる一番可愛い。

2012/09/28(Fri) 09:07 

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