過去文とか
□王様だーれだっ 2
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「――――にしてもさぁ。」
「どうしましたか、奥村くん。」
「なんで俺ら、こんなことやってんの。王様ゲームとか。」
「兄さん、そんな今さら。誰が言い出したと思ってるの。」
「え？メフィスト。」
「兄上は燐の提案にのっただけですよ。」
「そうですよ奥村くん。貴方が最初に、兄弟の親睦を深めたいやなんやら言い出したので、私は伝統ある遊びを紹介しただけです。」
「……どんな伝統ですか。フェレス卿。」
「どうせ兄上は遊びを利用して、燐にチョッカイかけたかっただけでしょう。」
「なにを言うんだアマイモン。私ただ、可愛い末の弟に喜んでもらいたくてだな……」
「さっきは下心丸見えの『命令』したくせに。」
「黙れ愚弟が。」
「うわ……メフィストの空気、おもっ。」
「――――はっ、ああ燐、そんなに怖がらないで。ささ、続き、しましょう？」
「「「「はい、王様だーれだっ。」」」」
「おや？また私ですね――――「ぐおらあああああああああぁぁっっっ！！」
「「「！？」」」
「雪男！？」
「ちょっ、なに机の上ぐちゃぐちゃにしてるんですかっ！！」
「ワーイ。ぐちゃぐちゃにしてもいいんですか。ならボクも――――「アマイモン！おとなしくしろ！！」
「――――また変な魔法的なことをしたんでしょうフェレス卿！！もう騙されませんよ！」
「なにを失礼な！“今度”はちゃんとやりましたよ！」
「あ、兄上がさっきの不正行為を認めた。」
「とりあえず落ち着けよーホクロメガネぇー。」
「っ！またそんなふうに呼ぶ……！もう兄さんはちょっと黙ってて！！」
「それよりボクはこれまで奥村雪男が黙って参加していたほうが謎です。」
「だよなー。雪男のやつ、どうせ、僕は仕事があるから、とか言って参加しないかと思った。」
「始めはのる気じゃなかったですけど、王様ゲームをやると言ったらこのくい付きようですよ。」
「あれ？雪男ってこういうゲーム好きだったんだ。意外。」
「ちが、僕は兄さんに変な命令がこないように見張るために……！」
「もー。どうせあれでしょう？奥村先生も燐くんとキャッキャッうふふな展開、少しでも期待していたんでしょう？」
「うわー。このメガネきもーい。」
「〜〜、さっきから五月蝿いぞ！外野のくせに、トンガリ頭が！！」
「うわーん、燐。奥村ホクロむっつりメガネ雪男が八つ当たりしてきますー。」
「あーあ、雪男のヤツ、短気だよなぁー。」
「ちょっ、アマイモン！どさくさに紛れて私の燐くんに抱きつくんじゃない！！」
「あああ！！兄さん！早くこの悪魔を祓わないと！どいてっ！！」
「俺も悪魔だけどなー。」
「……アイツら理事長室で何やってんだよ。」
扉の影から、シュラが任務報告書を持ってこちらを覗いていることに、じつはメフィストは気づいていたのだが、あえてのスルーを決めこんだ。
〈いちお終わり…！〉