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□きっかけは委員会
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「委員会に入ってみないか?」

1日の授業を終え、教室の掃除をしている時だった

忍たまの先生に呼ばれ、そんな事を言われた

『委員会、ですか?』

私が聞き返すと、その先生はうむ、と言って頷く

「くのたまで委員会に入っている者は少ないだろう? しかし、普段の生活では得られないものを得られる場でもあるのだよ」

と、ぐだぐだと言い並べる先生

『何処の委員会ですか?』

半分以上先生の話は聞いていなかった

とりあえず質問してみると、先生は少し悩んだ様子を見せる

「そうだなぁ…。鷲宮は算盤は得意か?」

『算盤ですか…。まぁ、普通に人並み程度には出来ますが…』

「よしっ!! では、会計委員会を頼む!!」

『はぁ』

「忍たまの3年い組を訪ねてみるといい。会計委員の奴がいる」

私が入る委員会が決まり、何故か上機嫌の先生

そんな先生に、質問をぶつけてみる

『先生、どうして私なのですか?』

「くのたまの期待の生徒ではないか!! それに、お前は周りと上手くやるの得意なんだろう?」

(あ、そう言う事か…)

私は、先生の最後の台詞に納得

確かに、もう3年の私達

3年ともなれば、気にするのは恋愛話

くのたまの私の教室でも、人気な忍たまの名前がよく飛び交う

しかし、私はそう言った類いの話には一切混ざらない

それは、私が花嫁修行などを目的にこの学園に来た訳ではないから

私の家は、あるお城に代々仕える城就き忍者の一家

私は、その家業を全う出来るくの一になるためにここに来た

だから、色恋沙汰に走らないような私を選んだのだろう

「鷲宮? 大丈夫か?」

少し考え事をしていたら、心配したように顔を覗きこまれた

『あ…、大丈夫です。では、3年い組に行けばいいのですね?』

「ああ。頼んだぞ」

先生に見送られて、私は忍たま長屋に向かった


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