Short Story
□宣戦布告
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『…聞いて下さい、勘さんや』
「どしたの絢乃、暗い顔して」
『昨日まで、合宿があったではないですか』
「そうだね。俺も行ったからね、勉強合宿」
『私達のクラスは選抜クラスのため、女子は11人しかいませんね』
「そうだね。男子は12人で、学年で1番少ないクラスだし」
『その中で、彼氏持ちが6人もいるんだそうだ』
「知ってる」
ああもう、流石勘ちゃん情報通!
当然、と言う顔をしてアイスを貪る勘ちゃん
何故か彼女がいない人
同じクラスの兵助も格好良くて勉強出来るのに彼女がいない
私の友人たちはこの2人が付き合ってるのでは、と言っていた
「絢乃彼氏いないもんね〜」
『好きでいない訳じゃないもん』
「今まで欲しがってなかったじゃん」
『そうだけどもさ…』
中3の時別れて高2の夏になった今
周りに彼氏持ちばっかりでノロケ聞かされるんだもん!
「そんなに彼氏欲しいならさぁ…」
『ん?』
「俺にすればいいじゃん」
『……は?』
「俺、ずっと絢乃のこと好きだったのに、絢乃彼氏いらないって言うんだもん。だから今まで黙って友達やってたの!」
『それは…、すみませんでした』
「で、返事は?」
どうしよう、私
どうする、私
勘ちゃんは友達、でも男
勘ちゃんは私のことが好きで、私は…?
「ま、返事は今じゃなくてもいいけどさ。絶対落として見せるから」
どどーん、と言い放った勘ちゃんは不覚にも格好良かったです
●●宣戦布告
久しぶりの短編です
勘ちゃんみたいな彼氏が欲しい