Short Story

□My Hero
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ヤバい、ヤバいよ私

男慣れしてない上に今女子校に通ってるから男とか超久しぶり

だって普段は学校敷地内の寮暮らしだし!

何がヤバいかって言うと、私今数人の男の人に囲まれてます

久しぶりに家に帰るって言ったら迎えに来いって言うんだもん

横暴な私の幼馴染み、兵太夫が

「ねぇ、今暇なんでしょー?」

「俺等と遊びに行こー!」

大川学園高等部校門前

で、この人達は多分ここの3年生

金髪とか茶髪とかピアスとか!!!!

怖いよ涙出る…

『えと…、友達待ってるので……』

「でも君ずっと待ってるじゃん! こんなに待たせる友達なんてどうでもいいでしょ!!」

『え…、でも…』

「ほら、行くよ!!」

ぐい、と男の人が私の腕を引っ張った時

「ちょっと、何してんの?」

聞こえたのは、懐かしい声

私が待っていた、その人のもの

『へーだ、ゆ…』

私の目には、涙が浮かんでる

それを見た兵太夫は私の涙を拭った

「お前…、1年の笹山!?」

「そーだけど。俺の絢乃に何してんの?」

「1年のクセに、生意気な…!!」

「他を当たってくれる? これを泣かせていいのは俺だけだから」

兵太夫がそう言うと、そそくさと逃げていく人達

3年生なのに、1年の兵太夫を恐れてるの…?

「大丈夫?」

『うん。それより、さっきの人達は…?』

「俺のクラスと敵対してる3年。前に罠に仕掛けたことがあるから、俺の顔知ってる」

ふん、と鼻を鳴らす兵太夫

横暴なとこは相変わらず、年上にも容赦ないみたい

「全く、僕以外に泣かされるなんて生意気」

『なっ!? 元はと言えば、兵太夫が待ってろって言ったんでしょ!!』

「待ってろとは言ったけど、絡まれていいとは言ってない」

『屁理屈』

横暴で俺様なとこがある兵太夫だけど、私を助けてくれるのもまた兵太夫

やっぱり幼馴染みっていいなぁ、そう再確認した今日この頃













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ただ単に「こいつ泣かせていいのは俺だけだから」って言わせたかったんです

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