Short Story
□COSMOS
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『ねぇ三之助、宇宙船打ち上げだって』
「は?」
『だから、これ』
夕方のテレビのニュースに映っている宇宙船
間も無く宇宙に旅立つみたいで、まだかまだかと待つ人達がたくさんいる
「絢乃って宇宙に興味あったっけ?」
『いや? 特にないけど』
何となく今話題だから言ってみただけ、と言えば、また読んでいたマンガに目を戻す三之助
全く、彼女がそばにいるってのにマンガですか
マンガ>私、なんて思われてたらどうしよう
「宇宙なんて行ったら大変だぞ?」
『へ?』
「宇宙は広いからなぁ。しかも無重力空間だ。大変だぞ?」
『何が?』
「絢乃が、俺を見つけるの」
なるほど、確かに三之助の言う通りだ
宇宙の、しかも無重力空間で迷子癖のある三之助を探すのは至難の技だ
無自覚は治ったものの、迷子癖だけは未だに治らないんだもんなぁ
「左門もいるからな。宇宙なんてやめておけ」
『行きたくても行けないけどさ。でも私、たとえ宇宙に行っても三之助見つけられる自信あるよ?』
「…マジか」
『だって好きだもん。私が1番に見つけてあげる』
三之助を1番に見つけるのは私
それは宇宙に行っても変わらない
作兵衛には渡さないんだから!
「んじゃ、俺は安心して迷子になれるな」
『いや、ならない努力をしようよ…』
世話のやける彼氏だけど、愛はちゃんとあるのです
COSMOS
(宇宙でも貴方を見つけてみせる)
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宇宙船打ち上げのニュースやってたなぁって思って書きました!
題名は"COSMOS"で、お花のコスモスではないですよ
宇宙って意味です
こんな題名の合唱曲がありますよね