Short Story

□暗闇の均衡
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鬱々としてます。かなり暗いのでご注意を!!



『小平太…』

「絢乃…、私は…」

手に持っているのは、赤く染まった苦無

普段とは別人のような、下がった眉

『小平太、大丈夫だよ』

私の掛ける言葉、小平太に届いてるといいな

暴君なんて呼ばれてる小平太だけど、本当は暗殺は嫌いなんだよね

小平太は心が真っ直ぐだから、暗殺なんて卑怯っぽいことは嫌

正々堂々戦って勝ちたいんだよね

「あ…、私は……、また」

『大丈夫だから。後は私に任せて』

愛用の刀を握り締め、小平太が殺そうとしていた人に近付く

『…まだ、生きてる』

私は、無駄な動きはしたくない

微かに動く、心の臓

そこに一突き、私の刀

刀を引き抜くと、ブシャと飛び散る血

私の体を赤く、紅く染め上げる

「…絢乃」

『長次?』

「……大丈夫、だ…」

ああ、長次が来てくれてよかった

体が、血が欲しいって疼き出すの

私は、血に狂った化け物

小平太は暗殺が苦手

私は暗殺が大好き

相手の血を堪能出来るから

長次は私を止められる数少ない人

私を化け物にしない、真っ直ぐな人

『長次、ありがとう』

小平太を止めるのは私

私を止められるのは長次

この均衡が崩れたら、どうなるだろうね?


暗闇の均衡











暗いですね…
小平太は夢主がいないと自暴自棄になり、夢主は長次がいないと血に狂います
夢主を止められるのは、小平太以外の六年と一部五年かな

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