Short Story

□委員長の苦悩
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「次はどこだ?」

「次…。作法委員会で最後だ」

最後が作法委員か…

これでやっと、予算会議が終わる…!!

「おい、団蔵。来るぞ」

「おう!!」

佐吉の言葉に、気合いを入れる

作法委員は、毎回何をしてくれるか分かんねぇからな

スパン、と勢いよく開いた襖

中に入って来たのは、見知った顔が3つ

「どう、団蔵? 作法の予算案は、」

「…その前に聞かせろ。何で絢乃がいるんだ?」

予算会議最後の、作法委員会

相変わらずかなり横暴な予算を請求しやがって

大方半分は兵太夫の個人的な趣味に使われるだろうに

『ごめんね団蔵。私、これでも作法委員なの』

「ウソだろ!?」

「ウソじゃないさ。そんな事も知らないとは、流石は組だな」

「なにおぅ!?」

伝七の奴…

相変わらずムカつく奴だな!!

『ねぇ、団蔵』

「絢乃??」

『予算、頂戴?』

う…、これはヤバい…

多分絢乃は無意識だろうけど

この身長差は半端じゃない!!

上目使いがプロ級だ…!!

「佐吉…、俺には断り切れん…!!」

「馬鹿野郎!! どうにかしろ!!」

「あ、団蔵。今回作法の予算が削られたら、一週間絢乃禁止令ね」

「何だとっ!?」

聞き捨てならん、今の兵太夫の言葉

一週間絢乃禁止令なんて耐えられる訳ねぇだろ!?

「一週間絢乃に触れない団蔵の代わりに、作法で可愛がるから」

「悪いな、団蔵。これも作法委員会のためなんだ」

「よく言うよ、伝七。結構乗り気だったクセに」

『って言う訳なの』

お願い、とすがり付いてくる絢乃

佐吉の鋭い視線と、見上げてくる絢乃の視線

俺はどうしたらいいんだ!?


会計委員長の苦悩


仕方ない……。絢乃の為なら……

ほんと!? 団蔵大好き!!

その代わり絢乃

なぁに?

後で俺の言う事聞いてくれ

うん!!

(さて、何を頼むかな…)








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